中村雅俊さんを推薦したのが松田優作さんということらしいのですが後に俺たちの勲章で共演してそれもまた名作ですね。この時期70年代の日テレのドラマは名作ぞろいですね。
小学生の時に姉と一緒に見ていましたが、当時はストーリーの良がまだ理解できず、主題歌『帰らざる日のために』が素晴らしく良い曲だという印象のみでした。他のミュージック・ファイルに比べると主題歌・挿入歌のアレンジが主ですが、他のBGMもすべてドラマで効果的に使われています。『青春とはなんだ!』に始まるシリーズからの流用曲も多いため、「あの曲がない」「『貴様と俺』の歌入りがない」など腑に落ちない方もいるでしょうが、『われら!』は全22話と放送期間も短く、録音曲も少なく、流用曲が多かったのではないでしょうか。しかし、真の『われら!』ファンなら、主題歌のアレンジ曲の数々だけでも胸打たれる事でしょう。苦労して録音テープを探し出し、新境地!ミュージック・ファイル・シリーズを完成させた高島さんに心から感謝します。
1〜10は、70年代青春ドラマの金字塔「飛び出せ!青春」の放映中(72年11月)に発売された同名のアルバムのCD化。激レア、という以前に、存在そのものがほとんど知られていないアルバムではあるが、番組のメインライターである鎌田敏夫氏が構成・脚本を担当した、名場面の再現などによるミニドラマ―個人的には、ビギン=河野先生と森下(青木英美)との、しみじみとしたかけあいの部分がお気に入り―と、ほぼ全曲を故・いずみたく氏が作曲し(10曲中6曲の編曲を、いまやラテン・フュージョン界の大御所である松岡直也氏が担当)、河野先生や、サッカー部を中心とした生徒たちがうたう歌―マネージャー・畑野(降旗文子)、そして木次(沖正夫。のちの森川正太)のソロ曲あり―のパートとによって構成されている。全体に手作りの温かみのようなものが感じられて、聴いていると、あわただしい日々の暮らしの中で忘れかけていた何かを思い出させてくれるような、とてもいいアルバムだと思う(なお、ライナーには、このアルバムのオリジナル・
ジャケットも載っており、お好みでそちらを表側にしてCDケースに入れておくこともできる)。
ただ、11以降は、このアルバムの後の
ボーナス・トラック的位置にあるようで、そのせいか選曲がやや弱い気がする。目下、「青春とはなんだ」から「飛び出せ!青春」「おこれ!男だ」までを網羅した『(青春ドラマシリーズ ソングブック)これが青春だ』が入手困難な状況にあるだけに、もうちょっとだけでいいから、がんばってみて欲しかった。とりわけ、「飛び出せ!」のエンディングでよく流れていた、青い三角定規による「青春の旅」が収められなかったのは、かえすがえすも残念というほかない(その後「青春の旅」は『
エッセンシャル・ベスト 青い三角定規』に収録され、久々にCDとして発売された)。