「風雲児たち」のロング連載で知られるみなもと太郎氏の祖父について語ったエッセイ漫画。
みなもと氏の祖父・松吉さんは明治12年の生まれであるのだが、なんと父親(みなもと先生の曽祖父)はヤクザ者だったそう。
栃木県で子分なしの小さな一家を構えており、貧乏のどん底であった。
しかし、松吉自身は勉強好きで成績が良く、上級学校に進学も出来たのだが金銭的な事情で叶わなかった。
商家に奉公に出て、そこから失恋を機会に(?)軍隊入りして活躍し始める。
ちょうど時代は日露戦争の前後で、口の重たい松吉はその頃何をしていたのかをなかなか話さない。
みなもと氏の父親が何とか聞き出したのは、近衛師団参謀の「明石元二郎」氏の配下として、
「欧州諸国のマスコミ・諜報機関を買収し、
ロシア側の機密情報を筒抜けにした」らしい。
その甲斐あって、日露戦争の後半では日本軍は連勝して勝利を収めることが出来たそうだ。
東郷平八郎元帥はその事を知っており、御前会議でも強気の発言が出来たんだって。
やがて軍隊を退役した松吉は朝鮮半島で警察官として現地の近代化に当たる。
当時の朝鮮は植民地化が進み、都市部では「日本の都市」と変わらぬ様相であったが、内陸部の田舎では
まだまだ整備がされておらず、反乱分子も出没する危険地域であった。
そんな場所へ家族で移り住み、(松吉さんの初恋相手には一旦ふられたものの、嫁ぎ先で上手く行かず離婚して戻ってきたところを松吉が再度アタックして結婚できた)現地の治安を守るために活躍していく。
何せ「昔の話」であり、歴史の表舞台にもほとんど出てこない内容なので、全編がほぼ誰かから聞いたり、又聞きしたものを元に構成されている。
掲載誌が相次ぐ「廃刊」の憂き目に遭い、今回ようやく単行本化されたものの時間経過で「生き証人」はドンドン減っていく。
内容的には興味深いが・・・・後になればなるほど伝えられるものは少なくなっていくのは宿命か。
「伝言ゲーム」故の煩雑さで、信ぴょう性も怪しいのは残念なところではあるが。
杏里のデビュー以来のファンで、彼女の曲はずっと愛聴していますが、このアルバムもまた彼女の中期の最高傑作のひとつと思います。
このアルバムも杏里本来の夏を舞台とした作品ですが、冒頭の「夏の別れ」を月の光に寄せて切々と歌う“夏の月”を杏里の美しい歌声が、夏の切なさ・はかなさを美しく描き出して、胸が切なくなってしまいます。“Last Vacation”、“What is Love”も甘酸っぱい「夏の別れ」を歌い上げ、最期のスローテンポの“夏の月−Reprise−”では切なさもひとしおです。
と言っても、“Eternity”、“Long Way To Your Heart”、“Sin”などの、吉元由美さんの作詞によるしみじみとした魅力的な
バラードも含まれていますので、ご安心ください(?)。とにかく、全体として洗練された「大人の女」の魅力にあふれています。
杏里の美しい歌声で、夏の甘い感傷にひたるには最高の作品と思います。一部の作詞とほとんどの作曲は杏里自身が担当しています。
LP時代のような、豪華な紙のダブル
ジャケットで、ブックレットを兼ねた歌詞カードが附属していますが、杏里さんの写真が小さい・・・
とにかく、杏里の美声を無条件で愛するすべてのファンに自信を持ってお薦め出来ます。