2005年に同じ『
妖怪大戦争』という
タイトルの映画が上映されている。大好きな
栗山千明サマが出演していたのであまり悪く言いたくないが、それよりも1968年に封切られた本作の方が、やはりズッといい。他にも『さくや
妖怪伝』や『
ゲゲゲの鬼太郎』といった作品が、CGや特殊メイクも発達し、
妖怪映画も作りやすくなったであろう後に制作されたが、やはり、そんな便利なもののなかった時代に作られた本作の方が圧倒的に面白い。
何よりも
妖怪の造形がいい。作り込めば作り込むほど薄っぺらな嘘くささが感じられることの少なくないCG映像ではなく、丹念に造形された着ぐるみの物理的な質感が、一体一体の
妖怪たちにしっかりとした存在感を与えている。ピンポン球に瞳を書き込んだようなカッパの目玉が、キョロキョロと動くところなんぞ、今ならもっとリアルな眼球の動きが作れるのだろうが、そんなたどたどしさすら、ユーモラスな演出の一部となり味わいになっている。
夏休みの子供向けに作られた映画で、ほどよい怖さにほどよいユーモア、ほどよい夢と不思議と冒険が楽しめるお話になっていて、適度な抑制の品がある。最近はアニメですら刺激が強すぎるのではないかと思われる描写が散見されたりするなか、そんなところにも改めて好感がもてた。それと、個性的な悪役ぶりが好きだった内田朝雄さんが、敵の
妖怪を念じ倒そうとする行者役で登場されている姿が久しぶりに拝見できて、懐かしく感慨深いものがあった。
そして、他のレビュアーの方も書かれている、ラストシーンの素晴らしさ。おそらく昔の百鬼夜行図を、動く映像で再現しようとしたのではないかと思われる、雲海にかすむ暁闇の野山を、数え切れない
妖怪たちが立ち去ってゆく情景は、実に幻想的で美しい…。
懐かしい!小学生の頃、本がボロボロになるまで何度も読んでいました。あれから20年以上・・・。改めて読んでみると、いやあ我ながらよく内容を覚えている。収録の絵は他の本でも目にするが、間に入っているコラムの内容はしっかり頭に叩き込まれていた。う~ん、多感な時期に読んでおいて良かった(笑)。
水木しげるの入門篇として、鬼太郎の漫画も収録されてあるし、是非我が子にも、もう少し大きくなったらプレゼントしようか。
しかし「
雪女」は今見ても怖いっ!