物語は土屋庄三郎が纐纈布なるものを
手にすることから始まるのですが、
そこから一気に物語は怒涛の如く一直線に突っ走ります。
そのスピード感たるや、一気に
冥王星まで
(最近第10番目の惑星が発見されたらしいが)
6秒フラットで疾駆するかのような心持ちであります。
そのあまりのスピードのためか作者自身、
途中で筆を置いており、
とても気になるところで話が終わっております。
起承転結を小説を書く上での規範とするならば
完全に破綻を来たしていると言っても過言ではないでしょう。
しか~し、この物語は陳腐で俗物的な描写はなく、
そこはかとなく様々な観念論が見事に構築されておるのです。
半村良はこの作品に影響を受け妖星伝を執筆し、
永井豪はバイオレンス・ジャックを描きました。