PROPAGANDA [DVD]
1983年に行われた 『散開コンサート』 のライヴ映像に少年&若い女のさまざまなイメージ映像を挿入した「フィルム」です。
楽曲のイメージを映像化したものや、メンバーそれぞれが出演したものなど有ります。
昭和の時代がクローズ・アップされています。
80年代らしい時代を感じさせますが、それはそれで、興味深いものがあります。
ライヴパートはナチス風軍服に身を包み派手なメイクで演奏するメンバーが観れます。
ライブ楽曲は、「散開コンサート」のディスクのものとは異なりますが、
13.TECHNOPOLIS 〜 14.RYDEEN につなぐHOTな選曲と盛り上がりは、他のLD、DVDでは在りません。
でも『散開コンサート』の様にライヴ映像で魅せてもらいたかった、イメージ映像で無く。
この写真を見て、みんな若い!!と思って即購入して、バリバリなライヴ映像を期待すると肩透かしをくらいます。
しかし、懐かしき当時を思い出して、全盛だったあの頃の「YMO」を観るのは、ファンなら必然です。
インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)
初心者向け「インテリジェンス入門」という意味ではなかなか面白い。
特に、両筆者が最前線で見聞きし、また対応(対戦?)してきた世界の
舞台裏が紹介されており、なかなか面白い。
加えて、我が国のインテリジェンス能力の低さ、政府の無策…ではない
ものの、組織やそれを担う人材の薄さと準備不足が明かされており、
その啓蒙書としても価値が見いだせる。
ただ、一点残念なのは他のレビュアーにも指摘されているように、お互いを
「よいしょ」しあっている部分が多く、読んでいて冗長的に感じてしまう
部分が多いこと。対談本にせず、それぞれがそれぞれの視点から執筆した方が
良かったのではないか、と思う。
過去にビデオテープとLDでも購入はしていましたが…DVDは初めてでした。長い間 廃盤になっていましたからね。 フォーマットはおそらく初盤のDVDと同様に思われますし…画質も向上しておりません。残念ながら メニュー画面もなく…次曲へ飛ばしたり(戻したり)する事もできません。今後…ご購入を考えていらっしゃる方は その辺を覚悟なさってください。素朴に当時の(散開していた)YMOの記録映像を手元に残しておきたい方にはオススメではあります。“フィルムコンサート”として全国各地を上映して廻っていた際に販売されていたパンフレットの刷小版が封入されていたのが…まぁまぁの救いでした♪
解析序説 (ちくま学芸文庫)
もう微積なんて忘れてしまったが…という方が居られたとする。さらにその方がひょんなことからもう一度微積をやってみようかな、という気になったとしよう。本書はそのような方に是非お勧めしたい一冊なのである。
実数論から始まるガッチリとした微積分をやるというのも一つの道であるが、むしろその使われ方を通じて微積分を理解したいと思っている方もいらっしゃるだろう。本書はそのような要望に応える。特に経済学部での講義が元になっているだけに、多くの例や演習問題が経済学等で扱われる社会現象から題材を採られている。だがそのような例を用いているとは言え、本書は現象のモデルを立て、それを微積分を用いて解析し、将来の予言を行うという近代科学の精神を同時に説いている書物なのだ。
例えば本書の第5章の冒頭、微分方程式の初期値問題を解く3つのステップが次の簡潔な言葉で表現されている。(i)始めはこうだった、(ii)今はこうである、(iii)将来はこうなるだろう。この言葉は微分方程式の考え方を表現する言葉として実に警抜なものだと思う。
一変数関数に題材は限られているとはいえ微積分の基本事項の解説は詳しい。特に解析学で重要となる近似の考え方は様々な例を用い計算まで含めて述べられている。また差分法を述べた第2章の中に補間法の説明が詳しくなされているのも嬉しい。微分・積分法と差分・和分法を同じウエイトで述べているのも他書に無い本書の特徴であろう。さらに、第3章の初等関数を述べた章では、1/xの不定積分で対数関数を定義しその逆関数として指数関数を定義する方法が丁寧に述べられている。お話だけでは無く計算まできっちり書かれた、3名の数学者の手による大変な労作であると思う。森毅「現代の古典解析」及び山口昌哉「数学がわかるということ」と併読されるならば微積分学に対して理論・応用の両面からより深い理解が得られるだろう。多くの方にお勧めできる、とても読み応えのある書物である。