もっけ(8) (アフタヌーンKC (521))
祖父から離れたことによる静流の正念場をじっくり読まされました。自分には見えるからといって、相手を助けることが常に叶うわけではないことに悩む静流の姿が痛々しかったり。逆に瑞生は元気いっぱいに描かれていて、静流とうまくバランスされています。弟分ができたエピソードや、画的にも後半は面長に描かれていたりと成長を感じさせます。今後も楽しみな作品ですね。
もっけ(勿怪) 1 アフタヌーンKC
妹瑞生は妖怪に憑かれやすいが見ることは出来ない、姉静流は望まずとも見えてしまう。
そして、二人にとって妖怪がいる日常こそ、ごく当たり前の世界。
丁寧に描かれた背景、特に木々などが葉のざわめきも聞こえそうなほど良く描かれているので、なるほど妖怪がいても何も不思議じゃないんじゃないかと思わせる、田舎の風景。
妖怪がいるのが特別なのではなく、昔から続いている当たり前の出来事。
そんな風に感じさせられる世界観でした。
穏やかで優しい静流に、ちょっと生意気だけど素直な瑞生。
仲の良い二人の関係、やりとりがとても良い感じだし、
拝み屋である祖父は、落ち着いていて全てを見通す様な祖父は中々いいキャラです。
そんな祖父でも妖怪を祓うわけではなく、拝んで離れて戴く。
時には何もせず、本人の心持ちだけでも離れていってくれたりする。
妖怪が悪いわけではなく、妖怪というのはそういう物。
二人は毎回妖怪の存在を介して、何かを学んでいきます。
妖怪の絵も怖すぎず可愛すぎず、でも雰囲気は良くできているという、お話の世界観とはとてもよくマッチしています。
最近妖怪の話にはまって色々読んでいるのですが、これが一番のヒットでした!
エンターテイメント性としては弱いかもしれないし、おどろどろしい妖怪や、妖怪と人間の対決を望んでいる人にはお勧めは出来ないですけど。
良くある妖怪が悪さをして祓う、というだけではなく、理解して受け入れる、妖怪との共存がテーマなお話。
雰囲気重視のほのぼのした、妖怪物語。
一話読みきりなので、結構あっさり読めて好きです。
もっけ 其ノ壱 [DVD]
主人公の気持ちがよく書かれていると思います。原作もいいけど
みずきとしずるが見ていてほほえましいです。
でてくる妖怪たちも声がと味がありますしアニメなら
ではのおもしろさがあります。
もっけ 9 (アフタヌーンKC)
本当は「妖怪」と表記するのは間違いなんだろうけど
ほかの作品と対比する上であえてこの表現とします。
帯にも書いてあるように
「奴らは居んのが当たり前ぇ」
というスタンスで
妖怪を退治するのではなく、
それとの付き合いをして行くという形で
そこから人の心や
時代の変化などを表現していたのが
いままでの妖怪物と違うところであり、
非常に好感が持てたところであった。
個人的には高校編はいらなかったのでは?
と思うところもあるのであるが、
無駄に長く続くことなく
非常によくまとまった形で完結したのは
よかったと思います。
しかし、やはりこの物語の本当の主人公は
姉妹ではなく、お爺さんだったのですよ。
スピンオフで短編でいいから
お爺さん主役の話を見てみたいです。