星の王子さま (新潮文庫)
聖書の次に多くの人に読まれている、子供から大人までを魅了している作品です。
小さい頃に読んだという人も多いと思いますが、
ボクは幼少時からひねくれていたので、
「所詮『童話』だろ?そんなの女子供の読むものだ」
と見向きもしなかったのですが、
同僚に、
「大人こそ読むべき本ですよ」
と強く推され、齢35にして、初めて読むことにしました。
以前から、受験などの一般教養として、
『アフリカの砂漠に不時着したパイロットが、星から来たと言う『王子さま』と出逢い、
悲しい別れをする』
という概要は知っていたのですが、実際読んでみると、驚くほど美しい内容でした。
大人の世界につまらなさを感じていながらも、その世界で生きているパイロットが、
純粋な目で、大人の世界の奇妙さに疑問をぶつける『王子さま』の心に、
少しずつ共感していく姿は、また同時に読んでいる自分自身の姿でもありました。
作品の根幹にあるのは、
『l'essentiel est invisible pour les yeux』=「大切なものは、目に見えない」
という言葉で、
せわしない社会での生活を送っているうちに、本当に『大切なもの』を見失っていないだろうか
というメッセージが、静かではありますが、強く心に浸透してきます。
自分自身がパイロットであった作者、サン=テグジュペリは1935年にリビア砂漠で
飛行機墜落事故を体験していて、このパイロットが彼自身の分身。
そして『王子さま』は『大切なもの』をちゃんと見ていた幼少の頃の彼という考え方が、
主流だそうですが、この意見には大きく頷けるとともに、
自分の『王子さま』と出逢いたくなります。
この本を薦めてくれた同僚の言うとおり、
『大人こそ読むべき本』でした。
星の王子ニューヨークへ行く [DVD]
ある国の王子(E・マーフィー)が、自分自身で結婚相手を見つけるために、ニューヨークのクィーンズ地区にやってくる。王子が持ってきたルイ・ヴィトンの豪華なスーツケースの山が、あっという間にホームレス達にかっぱらわれるシーンには大笑いした。王子をは、純粋で人を疑うことを知らないし、決して悪意で人を見ないし、常に前向き。ハンバーガー店で働き始め、店主の知的で社会問題に目を向ける娘に恋をする。
エディーとA・ホールの二人が、一人何役も演じているのでその部分も楽しめる。特に床屋のおやじ達の会話は、最高。
生涯の伴侶に求めるものは、美貌や地位や富でもなく、価値観が同じであることの大切さと愛情と、王子は、ラスト近くまで自分の正体を明かさずに自分の愛を貫く努力をする。
E・マーフィー主演のコメディーの中では、女性にも受ける作品。
王国の宮殿は、モハメッド・アリの豪邸を使用。ラストの結婚式も面白かった。
The Little Prince
日本の星の王子さまファンの大半は内藤訳しか知らないと思います。英語で読んでみる事で、別の解釈の可能性を知る事ができます。結果として内藤訳に重大な疑念を抱く事にもなりかねないので、王子さまと喧嘩別れしたくない人はちょっと考えた方がいいかも。訳文そのものは大変プレーンな英語ですので、英語の勉強にも適しているでしょう。
星の王子さま [VHS]
言うまでもなくサンテグジュベリの原作を映画化したミュージカル作品です。原作者の遺族が、原作を忠実に反映することの困難さから映画化をなかなか許可しなかったところを許可された数少ない作品です。作品自体が原作の雰囲気をどこまで反映しているかは判断が分かれるところだと思いますが、音楽はすばらしく、音楽を聴くだけでも価値ある作品だと思います。