1985 1 25〜7 5 週刊朝日に連載
嵯峨散歩、仙台・石巻
水尾の村/水尾と樒が原/古代の景観/大悲閣/千鳥ケ淵/夢窓と天竜寺/豆腐記/度月橋/松尾神社/車折神社/富士と政宗/沃土の民/神々のこと/宮城野と世々の心/屋台と魯迅/東北大学/大崎八幡宮/千載古人の心/塩と鉄/陸奥一宮/奥州の古風/詩人の儚さ/海に入る北上川/石巻の明るさ
水尾の里は嵐山から保津川を少し上流にたどった愛宕山のふもとにある
嵐山は2013年秋の台風で洪水被害に見舞われたが、保津川はもともと激流の川である
角倉了以(すみのくらりょうい)が戦国時代の豪商でありに、流中の岩を砕き流れを制して渡月橋を自費でかけたとある
また高瀬川や琵琶湖疏水、富士川や天竜川の開削は
徳川家康の命で行った
歴史深い
京都で寺社以外の土木建築の歴史は面白い
私財で開削した保津川だが、通行料及び船便の権利はすべて手にしており、豪商としてのスタンスは失っていない
了以の菩提寺である大悲閣千光寺は、保津川沿いにあり台風で大破したが2010年に解体修理が終わり
千光寺下の邸宅跡には、星のやリゾートが手掛けた星のや
京都があり、超高額旅館として再発進している
秋の台風で被害を受け2014年2月1日再開予定
ちなみに食事なしで早割36000円〜食事つきで60600円(当然大人一人)、ここは船で行くのがメイン(あるっていけないことはない)ので船運も独占し、保津川で儲けているのは了以だけではない
仙台は、多賀城の柵、伊達正宗、魯迅と続くが、司馬らしく神社建築の歴史と宗教の歴史に話題が大きくそれていく
それもまた良いが、「私は東北が好きだ」と出羽のみちでも書いていたが、話は大きくそれることシバシ
西日本ほど歴史が深くないために、それた話で紙面をうずめている感があり、嵯峨散歩に比べると内容が浅いのが少し残念である