連作短編なので、前二編のようなミステリー仕立てではない分、スポーツ小説として気持ちよく読めました。
ところで……。自転車を愛する人たちがこういう小説を読んで酷評していることがよくありますよね(特にスポーツ小説)。 なんだか意味がわかりません。そんなこと指摘されても一般読者はわからない、というか興味がない。 だって小説がおもしろいんであって、競技に精通したいわけではないから。 そんな素人でもおかしい場面はおかしいと思うし。それでいいんじゃないですかね。
遥か2の外伝で、同じ四神同士の2人が主役となる中編小説です。 内容は、玄武組「地獄絵」朱雀組「夢路にて」 白虎組「馬盗人」青龍組「妄執の檻」の4本。 内、前3本は「はるか通信」「ネオロマンス通信Cure!」に連載 していたものの収録ですが、青龍組の1本は書き下ろしだそうです。 1話は泰継さん、2話はイサト君、3話「馬盗人」は幸鷹さん、 4話では勝真さんの視点で話が進みます。 私的には、特にイサト君と勝真さんの心の葛藤みたいなものが ちゃんと書かれているのがとってもお気に入りですね。 あと、意外?に相手のことをみている泰継さんもv 挿画もとても格好良くて、何よりお話の雰囲気にピッタリですし☆ ですが。 星4つなのは、外伝ということだからでしょうか、 紫苑君や、アクラム様やシリン、和仁様や時朝が登場しない事が・・泣 まぁそれはそれで良いとも思うんですが、 個人的にアクラム様や宮様が好きな私にとっては残念だったので。(笑) 何はともあれ、買って損はないです!
下町の小さなビストロを預かるシェフ、三舟氏。彼は、来店した客の悩みや謎を、極上の料理と快刀乱麻を断つ推理とで解決するのだ、 という短編連作集ミステリである。
この種のいわゆるグルメミステリ、個人的に好きな分野なので多めに読んでいるというのを割り引いても、枚挙にいとまがない。 海外ではマイケル・ボンド、日本では北森鴻がその最右翼であろうことは間違いないが、最近では石持浅海や、坂木司、似鳥鶏なども。 そういった中でも本作は、料理自体のうんちくに偏ることもなく、人物像などの描写ばかりになるわけでもなく、といって謎解き話にやたら傾倒することもなく、うまいバランスになっているといえよう。
筆力の問題にもなるが、描写される料理の数々が本当に「うまそう」なのもポイントだ。 ボンド作品など、作品にでてくる料理を実際に料理店で食べてみたくなる。(で、後日食べてみました、牛ヒレのマディラソース。) この作品もそれと同じ。フレンチ料理にそんな詳しいわけではないので、数少ない高級本格フレンチの記憶を反芻しながらになるのだが、例えば、カッテングボードに並んでいるとおぼしき旨そうなフロマージュ、想像するだけでもうよだれがでそうである。
続編もあるそうなので、いまから楽しみだ。
|