数十年ぶりに観直しましたが、当時の少年少女を熱狂させたパワーが全く衰えておらず今現在リバイバル公開されても何の遜色もない程の新鮮さを感じる事が出来ました。もう今後もこのふたりを超えるようなキャスティングは期待出来ないだろうと思わせる程の、主役ふたりの可憐な美しさや儚さ、また
美術、撮影(特に照明)も見事でその上さらにニーノ・ロータの史上に残る不滅の名スコア、というまさに奇跡のような完成度を誇っています。ここまで来ると
美術品です。
ネオリ
アリスモで名高かったフェリーニ監督が彼独自の新境地を切り開くようになったのは、本作品『魂のジュリエッタ』からだったような気がします。そして私が本当の意味でフェリーニ・ファンになったのも、今から思えばこの映画が契機だったようです。幻想的なイメージが展開するあたりは、後年の傑作『サテリコン』や『カサノーヴァ』に通ずる魅力に満ちています。 裸体の青年や海辺のファンタスティックなシーン、カトリック風ミラージュなどはフェリーニ作品に無くてはならない要素ですよネ。
映画ファン必見の名作ですよ。