低予算なのは見て分かるのですが見たことないジャンルの作品で面白かったです。ラストも衝撃(?)の終わり方である意味評価に困る作品です。グロテスクなシーンが多くて直視出来なかったところがありますけどそれもホラーですしね。ホラー好きは見ておいた方が良い作品といえるかもしれません。
「戦慄の旋律」と「おろし金に白い指」
ともに漫画原作があります。
ホラー的あおりの
ジャケットですが、どちらもホラージャンルに分類してしまうのは難しい作品。主人公が日常のひとつのアイテムからふとしたはずみでその謎に迫っていくというのは共通。
戦慄の方は時間も短く、やや直球のサイコホラー?でしょうか。聴く者を例外なく虜にしてしまう
タイトルも歌手も不明なスキャットのアナログレコードが題材。どうしてもそれを自分のものにしたくなり、友人から盗んでしまう主人公、逃亡の途中で彼女はそのレコードの秘密を知ってしまうことに。そして…
おろし金に比べるとすっきりとまとまっていて、きっちり終わります。
おろし金の方は、不条理ミステリーといった趣で、基本シリアスな作品でありながら原作者の不条理ギャグテイストが色濃く出ている作品。連続ドラマ形式の1時間程度の尺。何度見直しても謎が残るあたり、不条理でしか片付けられない部分があります。
主人公は二世代同居世帯の専業主婦、姑さえいなければ…という環境です。そういう専業主婦を冒険に駆り立てるアイテムは、あまりにも切れ味の鋭いおろし金。時を同じくして実家に戻ってきている義理の妹や最近出没する下着泥棒といった要素も主婦の冒険をあと押ししていきます。
結局は謎は謎のまま、解決するのは全然別件だけという結末、もやもやさせてくれます。
ラストの熊用のわななどドラマ的には完全に蛇足ですが、原作者テイストを出すには不可欠だったりして評価の難しいところなのです。
どちらも後のJホラーブームを支えた
スタッフの20年以上前の作品です。