いつもこの会社のソフトは高い割に吹き替えもなきゃ特典もないわ,パッケージも格好つけてる割にちゃちいわで突っ込みどころ満載だ。
今回も外箱のランカスターは威風堂々で渋いが外箱とると一転して泣き顔シーンのどアップとはギャグのつもりかと言いたくなるセンス。見た途端舌打ちと苦笑いが自然に出た。もっと重厚感出せよと言いたい,高いんだから。
しかしそんなボヤキも映像をひと目見てぶっ飛んだ。
イタリア語全長版を凄い苦労してリマスターした事は聞いていたがそれにしてもまさかココまで美しくなるとは想像してなかった。
こんな事言ったらファンに怒られるかもだがもともと話自体は正直単調だし面白くもないので映像がチャチいとで観る気にもならない作品だ。子供の頃見たときはカル
ディナーレもエロいことにならないしドロンも劇的に死なないしどうにもつまらないとしか思えなかった。
しかしその後年齢を重ね他のヴィスコンティ作品にも触れこの作品の凄さも認識し,再見したかったがVHSやDVDでは全く観る気がしなかった。
だが先日「太陽がいっぱい」で古い作品でもブルーレイなら相当綺麗になるな,と感心したので今回高いけどいよいよ購入に踏み切ったワケだが,ハッキリいって今回の美しさはその時の感心の比ではない。
豪華絢爛とはまさにこのことでまず画像の中の,隅々まで情報量のあまりに多さに驚嘆した。調度品や衣装の半端ないゴージャス感,色彩の洪水はむせ返る程で
あり,どこまでも深い黒が色彩のグラディエーションをより細かく鮮明に映し出す。これでもかと隙間なく壁にかけられた絵画もクッキリ見えて静止画面にする度にまるで画像自体が絵画の如し。
ラストの舞踏会シーンの暑さ,ランカスターやドロンが流す汗がやたら生々しく1963年の映像だということを時々忘れてしまう。
劇場でリマスター版を観るのがベストだが大画面ブルーレイならば十分堪能出来ると断言しよう。しかし観る側の環境がここまでモノ言う作品があるだろうか。本物嗜好のヴィスコンティ恐るべし。
これ観て「家族の肖像」や「イノセント」もまた観たくて仕方なくなったんだけどブルーレイ化しないかなぁ。
画像はこのレベルでもぅちょい雰囲気あるパッケージで販売してくれないだろうか。待ってます。
それにしてもCカル
ディナーレは妖艶だなぁ。ワル〜い感じと清楚さがミックスされててむんむんですな。
映画の世界観にほれ込んで購入しました。
映画を見てから原作を読むと違和感が大きく、不安がありましたが、面白いです!
映画のシーンと重なる所はそれと重ね合わせながら、そうでないところは映画のキャスト
で読んでいってます。読みやすい訳で、ところどころ
イタリア語のルビが入って、聞き覚え
のある単語や知っている単語だとさらに作品に引き込まれます。
一番は政治的な内容がしっかり盛り込まれていたことです。
タイトル「山
猫」はアンジェラかなーと思ったのですが、そうではないのも謎だったアンジェラ
の母親のこともよくわかりました。
イタリア文学はあまりなじみがなかったのでもっと読みたくなりました。
3時間とは感じられないほどあっという間に時間が過ぎていきました。
昔から評判は聞いていて一度見たことがあったのですが、大好きな作家の塩野七生先生が書かれた、この映画についてのすばらしい文章を拝読して以来、改めて見てみたいと思っていたので、購入しました。
ただただ、美しい画面に魅入られて、深いせりふに考えさせられているうちにあっという間に荘厳華麗な、超有名舞踏会シーンへ。
(やっぱり「舞踏会」って、西洋時代物映画に欠かせないですよね。)
内容については、私程度の人間がコメントするのも恐れ多いので、受けた印象だけ。
バート・ランカスターはとてもアメリカ人とは思えない威風堂々とした(日本人でいえば、ムカシの丹波哲郎かしら)公爵。
アラン・ドロンは「水も滴るいい男」という言葉がぴったりの、生命力溢れる美青年ぶり(日本人でいえば大昔の沢田研二かな)を発揮。
クラウディア・カル
ディナーレは、なんとも「眼」が印象的な、若くてセクシーでちょっと下品で、美しい。(日本人でいえば米倉涼子みたい)
イメージぴったりの俳優と、これ以上は無い画面の美しさ。
確かに「別格」といっても間違いない特別な作品です。
バート・ランカスターは、「OK
牧場の決闘」(ジョン・スタージェス監督)、「アパッチ」(ロバート・アルドリッチ監督)、「プロフェッショナルズ」(リチャード・ブルックス監督)、などの西部劇で男らしい役柄を演じ、また、「ヴェラ・クルス」(ロバート・アルドリッチ監督)では共演の大スターでランカスターの大先輩でもある、ゲイリー・クーパーをも食う濃い悪役を演じて話題になった。”アパッチ”で、ランカスターが大勢を相手に戦うシーンでは彼はとても野性味にあふれていた。 また、西部劇のみならず、ジョン・フランケンハイマー監督と組んだ、「大
列車作戦」などのアクションでも持ち味の男らしさを発揮していてカッコよかった。
しかし、この「山
猫」では、力強い西部男ではなくて
イタリアの公爵を演じていた。とてもこれまでの作品から見るとランカスターが適役とは思えないが、実際見てみると彼に勝る人はいなかっただろう。ルキノ・ヴィスコンティはスペンサー・トレイシーを推したらしい。風格の点ではトレイシーも劣らないが、やはり、迫力の点ではランカスターの方が上だ。アラン・ドロンもランカスターの影に隠れていた。やはり、彼のスケールの広さはこの映画に適していた。また、ヴィスコンティは彼を気に入ったらしく「家族の肖像」でまた使っている。
ところで、ニーノ・ロータの音楽も良かった。ニーノ・ロータとフェデリコ・フェリー二は長年コンビを組んでいたのだが、ニーノ・ロータの音楽なしではフェリーニのヒット作品はなかったという。彼の音楽はそれほどに重要だった。 すべての事を考慮して、この映画は、星5つをつけることのできる映画だった。