もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら PREMIUM EDITION(初回限定生産) [DVD]
ブームから去ること1年以上、やっと映画「もしドラ」DVDで鑑賞しました。
ボク自身、職場でマネジメントする立場の年齢、役職といういうことで、興味津々でした。
結果、ドラッカーの「マネジメント」全ての理解までは及びませんでしたが、
青春映画として見応えある感動作であったと思いますよ、ボクは。
いつも思うのですが、映画鑑賞って、
その人の置かれた環境や心境で印象が大きく違うと思うんですよね。
と言うわけで、ドラッカーという硬い話ではなく、純粋な青春映画として楽しめたという訳です。
ボクも、監督が「フォアボールをわざと投げるピッチャーなんていない!!」と
訴えるシーンで感動の涙が溢れました。
最後の伏線をはき出しての逆転シーンもよかったです。
がんばったけど、決勝戦で惜しくも敗れ、それでも達成感が残ったっていうベタさでなく、
きっちり優勝し目指す甲子園出場を果たすストーリーも、
マネジメントにより成功できる可能性を秘めていて納得できました。
出演者を語ると、AKB48の二人は普通の役者として及第点だと思います。
大泉洋は、シムソンズ以来の青春映画熱演で、控えめな演技が見事でした。
お約束の三枚目、石ちゃんと青木さやかのコンビもおもしろかったです。
そして、高校野球のシーンはかなり真剣に作り込まれており、
逆境ナインやソフトボーイのようなおちゃらけがなく、訴えるものがありました。
エンディングの主題歌「Everyday、カチューシャ」は、本編とはまったく関係なく、
ファンサービスのお愛嬌というところでしょう。
この作品を観て、
要するにマネジメントは、「人と人との信頼関係づくり」なのかな〜と思います。
真摯にひたむきにがんばる勇気をもらえる作品です。
何かで落ち込んだときに観ると心洗われる名作のひとつとなりました!!
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら PREMIUM EDITION(初回限定生産)(Blu-ray+DVD)
この人気アイドル「AKB48」をこうまで若者たちを狂わせ夢中にさせたのは、
かつて「おニャン子クラブ」で一世を風靡した、放送作家で、作詞家で、企画屋で、プロデューサーの秋元康。
美空ひばりの「川の流れのように」の作詞を手がけ、
「おニャン子クラブ」「AKB48」…をスターダムにプロデュースした彼を、
私が選挙参謀ならば絶対に彼を選挙ブレーンの一人に参加させます。彼は時代の雰囲気を香りと色と「形」に演出できる稀有な男です。
その彼が「AKB48」の前田敦子を主演にプロデュースしたのが、この映画です。
まず初めに、岩崎夏海の原作、略して『もしドラ』のベストセラー化がありました。
私も昨年、書店で見つけて興味半分に読んでました。
ちょうど『ポスト資本主義社会――21世紀の組織と人間はどう変わるか』(ダイヤモンド社、1993年)や
『ネクスト・ソサエティ――歴史が見たことのない未来がはじまる』(ダイヤモンド社、2002年)』読んでいたので、
難解ではあるがその卓越した視点に驚嘆していたところでした。
「マネージメント」と「マネージャー」の大きな勘違いで本来ならば大笑いで終るエピソードなのだが、
ただその経営理論が、野球に応用されるとは、それも一つの「経営マネージメントまがいの小説」に仕立てて、
100万部200万部のベストセラーとは、これも破格な本になりました。
さらに再びヒット映画をプロデュースしました。原作者の岩崎夏海もまた秋元康の影響下にある一人です。
このヒットの秘密は、
'1、一つには、勿論秋元が、岩崎夏海の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』と、
アイドルのAKB48を結びつけてたプロデュースの勝利です。
例えば、選挙戦とアイドルはいままでつながらなかったですが、素晴らしい新鮮さが有りました。
'2、二つは、本来どのように作為的に演出しようとも、経営学の硬派のマネージメント論が、
ばかげた事に高校野球の女子マネージャーと、異種なものを一つの物語の括弧に中に入れてしまったストーリ性の奇抜さでしょうか・・
荒唐無稽だけに尚更に新鮮味溢れ、斬新である点です。
'3、三つ目は、スポーツ映画は、ボクシングやアメフトやなど名画がいろいろありますが、
その中でも「野球」という資本主義のアメリカが誕生させた、
人間の欲望と希望と奇跡を担ったストーリに満ちているスポーツを骨子に選んだことです。
ある意味で、野球神話に依存した神話力の勝利だと思います。