Solaris
映画は興行的に失敗したようですが,決して悪くはないと思います.Steven Soderberghの映像も,Cliff Martinezの音楽もいい意味で趣味的に作られていて,何年後かにはこの映画に正当な評価が与えられていることを期待します.同じCliff Martinezによるスコアでsex,lies and videotapeを持っていますが,中途半端な環境音楽よりもCliff Martinezのスコアは何度でも聞くことができる良さがあります.
ソラリス (特別編) [DVD]
映像と音にひたってきました。
ソヴェト映画の「歴史性」の完備(これは、タテヨコともにです。
個人の歴史と人類=社会の歴史と。)の傾向とは異なり、宇宙空間の存在と実体化した人形の反逆に代表される「ドラマ性」の重視が成功していました。
博士が男性から女性に変わっていたのも、面白かったです。
また、音に圧倒されるのです。
サントラを購入して確認して、映画とは別種の印象があったのも良かったです。
SPIGEN SGP iPad2 / 新しいiPad(第3世代) 本革 ケース illuzion 【 ソラリス・オレンジ 】 SGP07632
光沢はありませんが、革らしいシボ感がポップなカラーに
上品さを加えています。
単純な封筒の形もシックでさりげないです。
軽量ですし、色がお気に召したならばオススメです。
惑星ソラリス [DVD]
エンターテイメント映画では決してないが、哲学的な思索や、芸術性の高い映画の好きな人にはお薦めの作品。ストーリーと言い、セリフと言い、とにかく人間性に関する深刻な問題提起が多いながらも、安易な解答は与えず、観る者一人一人に自分なりの解釈を要求する、そういう映画なのである。何らかの解釈ができるようになるまでは、おそらく数回見る必要があるだろうが、一回だけ見ても深い余韻を残す芸術性の高いSF作品である。もっとも、SFといっても、制作年代(72年)、制作国(旧ソ連)といった制約もあって、ハリウッド流の派手なセットや特撮は一切無く、むしろ至って地味な演出に徹している。それでいてサスペンス、不気味な雰囲気をうまく醸し出しており、それが俳優陣の優れた演技と相まって、稀に見る重厚なSFに仕上がっている。
特典は少なくないが、メニューがとても分かりづらく、特典映像を探すには一苦労する。しかもメニューも特典映像も音声(吹替え)も全部露、仏、英語のみ。仏・英語吹替えは、劇場公開時にカットされていたシーンは自動的にロシア語に切り替わって仏・英語字幕を表示する。日本語は本編の字幕だけ(日本語字幕は省略が多く、誤訳と思われる部分も僅かながらあるようなので、できれば英語字幕で観たほうがいいと思う)。日本市場向けのDVDであるからには、メニューは日本語化しなくても、最低限特典映像にぐらいは日本語字幕を付けて欲しい。特典の内容は、本編と撮影風景のスチール、ハリー役のナタリア・ボンダルチュクの短いインタビュー、主役のドナータス・パニオニスに関するかなり古いドキュメンタリー(恐らく本作制作前のもの)、監督の妹による思い出話など。内容的には悪くないが、本編との関連性が少々薄いかなという印象はある。謎めいた難解な作品であるだけに、内容の解説も何らかの形で付けて欲しいところだ。
ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)
ソラリスの海は人間による理解をかたくなに拒む。しかし、それは個人の心を読み、もっとも触れられたくない過去の形を選り抜く能力を持っていた。差し向けられた過去たちは純真に優艶に主人公たちの精神を侵食する。主人公の内へ内へ。心を強く強く揺さぶる。読者の胸にも確実に迫るだろう。
そして、物語は終盤へ向かい、あるときを境に現象は途絶え平穏と静寂が訪れる。ソラリスに害意があったのか、好奇心ゆえのいたずらだったか、それは分からない。しかし、主人公の内へ激しく打ち寄せていた情念のさざなみが、いつのまにかそのままの振幅でソラリスに向かって折り返されているのが分かる。それはもはや学問的関心ではない。読者にとっても同様だろう。レムは恐ろしい。SFが持ちえたもっとも親しみのある地球外生命体はソラリスではないかと思う。