キャラクターデザインは前作に引き続きヤスダスズヒトさんを起用、比較的に万人受けしやすいもの
にはなっていますが、アトラスファンを捉えて離さない高いゲーム性も健在です。ペルソナシリーズ
など、比較的にライトなイメージが定着しつつある女神転生シリーズ派生ですが、こちらは生死のか
かった戦闘や、時間制限による
タイトなイベント選択、シミュレーションパートの狙い澄ましたよう
な遊び応えといい、絶妙なバランスはさすがです。
特徴とシステム
・ADVパート
会話ごとに時間が進む為、取捨選択が重要になります。時間一杯の行動を行っていると、イベント戦
闘が影響を受けてしまう事も多々あるので、優先順位やシナリオへの関連性を考えて行動しないとか
なり厳しいことになります。
基本はシナリオ、好きなキャラ、周囲へのフォローという形になるはずですが、選択肢の傾向そのも
のは、よく考えさえすれば比較的になんとかなります。
・死に顔動画
ゲームの特徴の一つで、行動の指針の一つとなります。知り合いの死の瞬間を見る事で、その死を回
避する為に行動できるというシステム。前述したADVパートの行動次第では、知り合いを見殺しにする
ことになってしまいます。
時間制限を考えもせずにホイホイ進めていると、必ず泣きを見るという恐ろしいシステムです。
・SLGパート
マス移動+従来のメガテンシリーズの戦闘という方式ですが、移動距離や射程、悪魔の種族ごとに存
在する固有スキルの活用など、SLG好きはニヤニヤしてしまう完成度です。
ただ、レベル上げと仲魔の合体さえこまめにやっていればシナリオ上で困る事はありません。
戦闘中に赤いカードのようなものを見かける事がありますが、セーブ&ロードを繰り返すと、とある
小技を使えたりします。
・悪魔
合体、交渉、全書に加え、本作では
オークションによる仲魔の勧誘がメインになります。前作からの
違いは、突発的に発生するspecial
オークションが加わり、
オークション方式も3パターンほどに増え
ています(通常+specialが二つ)。スキルの継承は任意で、好きなスキルを引き継ぐ事が可能です。
・縁システム
仲間との交友関係によって仲間や自分が
ボーナスを受ける事ができるシステムです。ペルソナ4にお
けるコミュが最も近いようですが、こちらの場合は時間の制約が大きいので、好きなキャラメインで
進めていった結果、他の仲間が使い辛く感じるようになるかも。耐性の付与など、戦闘に有利になる
と同時、シナリオにも影響を与える為に重要なシステムと言えます。
以上が本筋ですが、ゲームの構成についてはやってみた瞬間からのめりこんでしまいましたね。
キャラクターは全員が特徴的で、設定上の祖語や性格と言動の不一致などはほとんどなく、かなり魅
力的な仕上がりです。キャラクターそれぞれの背景までしっかり考えてあるので、ADVパートも全会話
制覇をしたくなりますね。あとナイス乳。
SLGパートはシチュエーションや進行ごとのツボを抑えているので、次第に難易度が上がっていくもの
の、自分や仲魔もどんどん強化できるので、自分なりの戦術で勝てると『俺つえー』感を必ず味合わせ
てくれます。
ストーリーは、一作目が完全な閉鎖環境であった事に対し、二作目は世界そのものの興亡や広い範囲を
ぐるぐると移動する楽しさ、何時の間にか自分が全ての選択肢を握ってしまっているドキドキ感など、
よい部分の引き継ぎと新たな挑戦がしっかりやってありますね。そして女神転生シリーズ初の敵も存在
するなど、グイグイ引き込んでくるシナリオは秀逸。
演出面も強化され、イベントでは意外な場面で動きがあったりと驚かされます。
余談ですが、日本の主要都市を移動する事になる為、行った事がある場所や地元があったりすると、背
景や場所ごとのネタにニヤニヤします。序盤では
大阪などに行くことになりますが、有名な観光スポット
や地元民ならどこに何があるかまで解ってしまう正確な地理など、
スタッフの妙なコダワリが垣間見え
てかなり面白いですね。
多少の血生臭い表現や人間の内面を描写したシナリオは好悪がはっきり別れるかもしれませんが、まず
間違いなく間違いなく傑作でした。☆5で。