「ファイナルファイト」のような、ストーリーに沿ってどんどん話が進んでいくゲームの進化形といえる作品です。
しかも3Dゲームで、格闘アクションとしてみても「
バーチャファイター2」をも凌ぐ出来のよさ。
プレイヤーの行動も、殴る、蹴る、銃を撃つ、逮捕する、等など驚くほど多彩。
さすがはセガといえるほどの傑作です。
ストーリーが、某有名映画のパクリな上、パッケージに描かれている刑事二人が、
ブルース・ウィリスとナンシー・アレンにクリソツ。
なお、2人同時プレイも可能ですし、ダイナマイト刑事は男女選択可能です。
1981年にプロレス界に天才が現れた。彼の名は
タイガーマスク。彼のライバルであり、デビュー戦を飾ったのはダイナマイトキットである。当時小学生であった私は、
タイガーマスクの空中技に目を奪われて、ダイナマイトキッドの直線的なパワーとレスリングセンスに純粋な感動を覚えていた。
しかし、彼の生き様はブラウン管で映し出される華やかな世界の裏に、孤独なビリーウィリントンとしての生活があった。
彼がプロレスデビューし、アメリカに渡る時、手に握り締められていたのは20ポンド(日本円で8000円程度)だった。
カナダカルガリー地区で頭角を現し、主戦場を日本にしていた時もあった。彼は、過酷なサーキットと、長身レスラー・巨漢レスラーと互角に渡り合うためのパワーを身に着けるため、禁断の薬「アナボリック・ステ
ロイド」に手を出し、眠気覚ましの薬物乱用、そして、疲れた体を強制的に眠らせる睡眠剤と、金を稼ぐために、肉体を酷使し、薬によって維持していた。
彼は家族を守るために試合を続け、高級住宅も、裕福な生活も手に入れた。その半面、試合による衝撃が肉体に蓄積し、さらに薬物により肉体が蝕まれていった。そして家族さえ失った。彼が自宅に帰ったら、机の上にはイギリス行きの片道チケットが残されていた。財産はすべて家族に残した。そして、18ポンドを片手にイギリスから彼は、ほんの数ドルを持ってイギリスへ帰ることになる。
「暴露本」と「真実の本」とがある。これはまさに、ビリーウィリントンの真実の本である。彼はショービジネスのある意味犠牲者であり、それが資本主義の現実である。
今彼はイギリスで車椅子生活を送っている。その姿も間違いなく、僕らに夢を与えてくれたダイナマイトキッドの姿である。華やかなショービジネスの裏には搾取される者、搾取する者が存在する。人間らしく生き続けていく姿を反面的に学ばされた一冊である。