巻数を重ねる毎に明らかになってきたこの作品の主軸ですが、コミック、物語構成を技術的に語ったり漫画家として主人公がどのように成長していくか（対マンガ）を離れ、対人間、よりスピリチュアルな方向に向かっているように思います。凛の存在がそうさせるというのは分かりますが、作中作、一人の頼りない男子高生が物語の中でどう物語を作っていくかに注目していたので少し残念。現実を基盤に物語をすすめ、少々非現実的な、観念的な方向に落下してしまいそうな緊張がありますが、ハロルドさんのバランス感覚を信じます。今巻はそれ程大きな展開はなく、やや退屈。ただ、明らかな謎、物語の展開の楔になるような事件が次巻かその次の巻で明らかになりそうなので、期待できそうです。主人公のマンガに対する意識のみならず、人間観、世界観のみまで揺さぶるような大きなきっかけを望みます。
何はともあれ、月刊誌にあってこの発巻速度は尊敬します。

映画化ということで、期待半分で観ました。
漫画は月マガ購入して読んでいました。毎月楽しみにしてたなぁ・・・

余談はさておき、34巻もある物語の約半分を詰め込んだ形。
感触次第で2部構成にでもしたいんだろうか？と勘ぐりたくなるが、尻切れというわけではなくきっちりと終わっているので良かった。

コミックと表現が違う部分もあるが、リアルとかけ離れすぎないような配慮と思われる範疇で収まっているので納得。
内容の取捨選択も良好。
学校生活部分をねじ込むなら尺的に2部構成必須でしょうが、単調になる上にBECK自体純青春学園モノとして勝負するには・・・な部分もあると思うので、この選択を私は支持します。

使用音楽については、漫画から受けたイメージ通りで概ねOKでした。
ボーカル無音に関しては、コユキの歌声を、千差万別な趣向のある現実で表現するのは不可能という個人見解と一致していました。

キャスト面では笑える部分も多く楽しめました。

トータルとして、映画化成功と思います。

今のところ展開が何となく読める作品というのが感想です。

BECKの時からのファンです。絵は上手い。構図の書き方も読者を引き込ませる力がある。
ただ何処かで見たような設定だったりと、惜しい。
少し前に流行っていた、漫画を題材にしたバクマンと比較するなと言うのが難しい。

そして他の方もレビューで書かれてますが、主人公の「キモい」発言。性格からして自信が無くこう言ってしまうのも分かるが…ここでは漫画しかないという、主人公の思いのようなものを見せて欲しかった。
矛盾がうまれてしまい、「漫画しかない」という思いも薄っぺらく感じてしまう。主人公の魅力が書ききれていないようにも感じる。

…とは言え、全体を通してみると面白くこれから人気が出そうな感じがする漫画の為★3。

グレイテスト･ヒッツ(最強盤)の発売に伴い再発。シングルが再発とは珍しい。買い逃した人にはチャンス。アルバム未収録ヴァージョンのカップリングに注目。