「私はこの本を書くために生まれてきた」。あとがきでこう記された著者の昂揚感は、読み終えたばかりの私もいくらか共有できた。
なにしろ『日本書紀』の執筆者を具体的に特定して、それぞれが分担した巻、執筆の時期とその順番、さらに加筆された箇所まで明らかにされるのだ。憶測を超える説得力をもって、仮説を一歩踏み出る説が提示される。
著者は、テキストとしての『日本書紀』を古代
中国語の音韻や漢文の語法から分析して、細部の特徴を剔出する。本書の大半はその分析に費やされ、一般読者を想定した説明が試みられていると思うが、この種の知識に欠ける者には残念ながら近づきがたい世界であり、分析の真偽については判断しようがない。しかし、全体として著者の論証の方法は理解し納得できる。
著者の研究は、従来の書記成立区分論の指摘をうべない、さらに内容的に二歩も三歩も踏みこんで、その意味するところを説明する。この点において著者の説の正当性が裏づけられているように思える。
『日本書紀』研究史のひとつのメルクマールに違いない。たとえば、大化の改新の詔勅の真偽性についての論争に漢文の視点からの材料が加わったことになる。
本書が刊行されてすでに10年以上たった。著者の説が古代史研究界にどのように迎えられたか興味がある。
なかなか面白い作品だと思います。
ニートのゲーマー兄妹が、ゲームで全てが決まるという異世界へ連れて来られ、そこで大活躍するという、なんとも中二くさい設定。
ですので、楽しんだ者勝ちというかんじですね。細かいことを考えずに観ることができるひとなら、主人公達がどんな戦略でゲームに挑むのか、毎回楽しみにできます。時々散りばめられるパロディネタもクスリと笑える。
また、作画が結構好きです。小説では表しにくい異世界の世界観がよく表されていて、なかなかいい。
細かいストーリーの評価は小説でのレビューを参考にして下さい。
アニメ化作品として、なかなか良い出来の作品だと思います。
ここからは作品の評価とは関係無い話です。読みたい人だけ読んで下さい。
このアニメの第七話の冒頭に、魔法陣が散りばめられているシーンがあるのですが、個人サイトにて公開されている魔方陣イラストを無断で使用したものだったそうです。この件については公式サイトが文面で謝罪しており、Blu-rayとDVDに収録される本編映像では、該当箇所をすべて“差し替える”と発表しています。
今回は謝罪で済むものでよかったですが、アニメーターの皆さんには、人様の作品を使うことの重大さを今一度考えてほしいものです。
アニメの出来次第で、その評価が原作にも影響することだってあるのですから。
極端な例で言えば、さくら荘のサムゲタン騒動でしょうか。あれは意味不明すぎますが。
今回はそこまでではないにしろ、好きな作品なだけに、少し残念な気持ちになったのは確かです。
また、今回の件とは関係ありませんが、とあるアニメーター(このアニメとは関係ない)が
ツイッターで、「アニメ制作に於いて原作者は役に立たない」といった発言をしたそうです。
昨今のアニメーターは「お前らの作品アニメにしてやるんだから感謝しろ」という思考の方が多いのでしょうか。
原作者への敬意、作品への愛が微塵も無い人達に、最高のアニメ化作品なんて作れないと思うのです。
それらがある人達だからこそ、その作品知らない人達にその面白さをどう伝えるか、必死に考えてくれるものだと思います。
それによって、素晴らしいアニメ化作品というものが出来るのだと思います。
大分話が逸れましたね。申し訳ないです。
今回は比較的小さな出来事でよかったです。
ですが、アニメーターの皆さんには今一度考えてほしいです。
人様の作品を、そこまで軽々しく背負わないで下さい。
長文失礼しました。