本書はアーケード筐体用のいわゆる攻略本であり,ゲーム解説部分はたしかに詳しい。
しかし稼働筐体がなくなった今,家庭用機に応用できない部分もあり,攻略本としての価値は必ずしも高いとはいえないだろう。
それよりもこの本の秀逸なところはゲーム解説の間のコラムやインタビュー,開発秘話などにある。
特に90年代に10〜20代後半ぐらいだった者は,郷愁を禁じ得ないだろう。
若かりし頃のスチャダラバーのBOZEが,アストロシティと足下のスーファミとともに一枚絵に収まっているあたりなんかとも含めて。『完全自殺マニュアル』なんかもしかり。
ポンキッキーズバンザイ。
その他の出演者の顔ぶれも多彩だ。達人と呼ばれ各自の使用キャラの名を冠された当時の有名プレーヤーたちのみならず,
有名プロレスラーや外国人DJ, 養老孟司まで出てくるのにはまいった。
学術的な意味でも一度は目を通しておく価値がある。
というのも,2006年のDiGRA JAPAN 発足と前後して確立され,いまや映像メディア研究の一ジャンルとして定着しつつある「ゲーム学」研究において,
本書に挿入された少なくない数の画面写真や,ややマニアックな記述は,三次元表現技法の発展やセガを中心とするクリエイター/ベンダー,あるいはゲームそれ自体への考察に関しても有効な資料となり得ることが期待できるからである。
本書全体を通して,前述のレスラーら格闘家や養老,さらに心の哲学の研究者として著名なD・C・デネットを持ち出して,現実とデジタルの境界を複数の視点から語ろうとする試みも興味深い。
映像メディア研究者や興味がある向きは,たとえソフトが手元になくても『
バーチャファイターマニアックス』と合わせて入手されることをお勧めしたい。
バーチャファイター2
セガ サターン 本体 ミストグレ
バーチャファイターの中では一番地味なCDです。2,4が聞きやすく、闘いやすく、盛り上がる感じなのにたいし、この3はすごく地味で戦いずらい感じです。ゲームを知らない人が聞くのは辛いでしょう。