日本には甲斐バンドがいる。
薬師寺とROCK。違和感を感じながら去年の夏BSで見た
あの映像が、未公開分を含めて、リアルに再現。
気がつけば、無意識に注文していました。
箱根、花園ラグビー場、
新宿副都心等など・・・
野外イベントは、甲斐バンドの得意技ながら
BIG GIG からこの年月を経ても、変わらぬ
疾走感。
高校3年の時に見た、BIG GIGのきんぽうげも
薬師寺のきんぽうげも、時を経ても同様に衝撃を与えられます。
野外イベントの先駆者が、又、新境地を開いたようなLIVEです。
照明に浮かび上がる薬師寺と甲斐バンドのパフォーマンスが
独特の雰囲気を醸し出してます。
客席のショットの中に、船越さんも出てますよ。
甲斐バンドは、時代や世界とのズレを「俺」という一人称で歌い上げていた。平和なんて、ありえない。俺は、苦しみ、もがき、痛み、耐えて、闘っている、という強烈なメッセージを放っていた。 音楽の出来映えは、海の向こうのロック(キンクス、フー、ストーンズ、その他)の影響が色濃く、かつ、アメリカ文学をもひもとく甲斐よしひろの感受性が歌詞にもにじんでおり、独自性で言えば、満点ではないかもしれない。 だが、甲斐よしひろのヴォーカルは抜きん出ている。声量・パフォーマンスともに。MCはない、「BIG GIGへ、ようこそ」たったそれだけ。そして、歌詞とは関係ないところで、雄たけびを、えんえんと、くりかえす。
今では、空間の隙間さえ見つからない
新宿副都心
高層ビルの真中で、時は1983年、甲斐バンドは一夜かぎりのステージをつくり、約2万人を動員した。周囲に建つビルの姿は生々しく、音響面での厳しさをも、甲斐バンドのパッションと実力がハンディとして感じさせない。
とにかく、
新宿副都心でのパフォーマンスには、ドキュメンタリーとしての価値がある。今の20歳以下の人が観たら、「嘘でしょう、あんな場所で」とこぼすに決まっているから。
ライヴは全18曲、あっという間である。 終盤では、甲斐バンドの代表曲が連続する。「ポップコーンをほおばって」は夭折した恋人へ向けての賛歌。「翼あるもの」は究極の女性賛美。「漂泊者(アウトロー)」はアレンジ次第では、今もなお新しい怒りの歌。「きんぽうげ」は男女の別れの愛しさと切なさ。「100万$ナイト」は大都市に生きる個人の胸中の叫び。「観覧車’82」、結婚後、まるでうまくゆかないカップルの歌。そして、空爆のような爆音の花火が吹き上がって、沈黙だけが残る。心で見聞きするよりも、魂を揺さぶるライヴです。
「日本人は3回やらないと浸透しない」と昔、甲斐さんが言っていた。さらにこぼれた名曲をこの演奏、音圧で聴きたい。そして、まだ、フォーチューン
クッキーのような名曲が生まれるのだから、あとはオリジナルアルバムを出来るだけ沢山出して欲しい。バンドでね!