『イレイザーヘッド』は、監督・脚本・製作・編集を貧乏時代のデヴィッド・リンチ自らが行なった作品である。金が無いときに子供を作ってしまったリンチ自身の心情が表れているようでとても興味深い。モノクロの映像と良いタイミングで入ってくるノイズが、見ている人の感性を侵食していく映画だった。リンチの世界観が好きな方は観た方がいいし、嫌いな方は観ない方が賢明であろう。
リンチ作品は、ホラーより怖く、サスペンスよりも難解で、ヒューマンドラマよりも胸を打つ。そして、作品全体にシニカルな笑いが散りばめられている。皿の上で血を流すチキンや奇形の赤ん坊、ラジエーターの女は、はっきりいって怖い。だが、ヘンリーはチキンや赤ん坊に対して、リアクションを全く取らない。むしろ、愛情を持って赤ん坊の世話をしていたりする。その姿は笑える。この映画を観て「気持ち悪い」という印象しか残らなかった方もいるだろう。それはそれで正解だと思う。それは、観ている人の感受性に問題があるのではない。ただ単にデヴィッド・リンチという人物と自分自身の周波数が合わなかっただけだ。私は、十代後半から周波数が合うようになった。完璧に理解できるというほどではないが、受け入れられるようになった。リンチ監督と周波数が合わない人にはオススメ出来ないが、怖いもの見たさで観たいという方はチャレンジして頂きたい。
この映画で一番気になるのは、あの赤ん坊をどのように製作したのかという事である。リンチ本人も関係者も口を閉ざしたままだ。アレは本当に良く出来ていた。
私はこの映画を
ロンドンのユースホテルで、バックパッカー達と観たが、余りの胸糞悪さに一人減り、二人減り…最後には誰もいなくなっていた。
ズーンと重く、息苦しい…
これぞ前期のリンチ映画。
グロテスクな造形に徹底的こだわっており、そのこだわりは次作エレファントマンにも繋がっている。
画面からは、自分の世界観を探究している若き映像作家のエネルギーが、抑圧しながらホトバシっている… という印象を受け、強く心に残る。
奇怪な女がステージで踊っているシーン等、後のブルーベルベットや、マルホランド…にも多少形を変え使われる、リンチ独特の奇抜な表現が顔を覗かせており、一見の価値がある。
この強烈な映像を不快に感じる人は多いだろうが、私はリンチ映画の中でも三本の指に入る位好きだ。
余談だが、昔某誌の「私の好きなカルトムービー」特集で、戸田奈津子がこの映画を選んでいたのは意外だった
竹中直人氏のメルシー・ボクに続く第二弾アルバム。低音三兄弟はお勧め。脳みそに炸裂します。
竹中直人の多重人格性が色濃く出ている作品。ブララック・ユーモア満載です。この曲で皆さんも彼のブラックシャワーを浴びましょう。
『イレイザーヘッド』は、監督・脚本・製作・編集を貧乏時代のデヴィッド・リンチ自らが行なった作品である。金が無いときに子供を作ってしまったリンチ自身の心情が表れているようでとても興味深い。モノクロの映像と良いタイミングで入ってくるノイズが、見ている人の感性を侵食していく映画だった。リンチの世界観が好きな方は観た方がいいし、嫌いな方は観ない方が賢明であろう。
リンチ作品は、ホラーより怖く、サスペンスよりも難解で、ヒューマンドラマよりも胸を打つ。そして、作品全体にシニカルな笑いが散りばめられている。皿の上で血を流すチキンや奇形の赤ん坊、ラジエーターの女は、はっきりいって怖い。だが、ヘンリーはチキンや赤ん坊に対して、リアクションを全く取らない。むしろ、愛情を持って赤ん坊の世話をしていたりする。その姿は笑える。この映画を観て「気持ち悪い」という印象しか残らなかった方もいるだろう。それはそれで正解だと思う。それは、観ている人の感受性に問題があるのではない。ただ単にデヴィッド・リンチという人物と自分自身の周波数が合わなかっただけだ。私は、十代後半から周波数が合うようになった。完璧に理解できるというほどではないが、受け入れられるようになった。リンチ監督と周波数が合わない人にはオススメ出来ないが、怖いもの見たさで観たいという方はチャレンジして頂きたい。
この映画で一番気になるのは、あの赤ん坊をどのように製作したのかという事である。リンチ本人も関係者も口を閉ざしたままだ。アレは本当に良く出来ていた。
竹中直人は音楽にうるさい人であるので、本アルバムもなかなか聞き応えのある仕上がり。高橋幸宏による「おいしい水」は秀逸なアンビエント
バラードだし、表題曲のイレイザーヘッドは聴けば分かるが、インパクト大の抱腹絶倒の仕上がり。ラストの曲のいい加減さも良い。
竹中直人の声の魅力が堪能できる作品だ。