ブレないベテラン漫画家といえば、この人もそうだ。
過激なアクションと下ネタギャグ満載の俗っぽい作風ながら、根底に人の真実を見抜く鋭い視点がある。

タイトルを見て「何だこりゃ」と思ったが、読んで納得。 本作の水戸光圀は人の命を弄ぶ権力ジジイだ。
道楽で始めた諸国漫遊の犠牲となって、何人もの水戸藩士が命を落としている。
浪人村上進ノ助は、四代目助さんの採用試験に臨むが。
リアル残酷時代劇の傑作「切腹」「十三人の刺客」のような、作家でいうなら南条範夫のような視点で、嘘くささ満点の定番時代劇を料理する意図らしい。
相棒の格さんは藩士で、最初から進ノ助を消耗品と考えている。
女忍者は容姿で選ばれたので、実力はゼロ。不安な旅立ちが始まるところで、この巻は終わり。
ぐぬぬ、大傑作の予感がするぞ。