見世物小屋で人々の好奇の視線にさらされていた主人公が、ホプキンス演じる医師に助け出され、彼の助力により徐々に人との繋がりを取り戻してゆく。が、それでもなお彼を食い物にしようとする人物が次々と現れ、再び彼を悪夢の世界に連れ戻す。
そうして彼の悪夢のような日常と、医師たちのもとでの平穏な日々とが交錯するドラマを描くことを通して監督のリンチは、醜いもののなかにある美しさ、普通だと思われていたものの醜さと残酷さを浮き彫りにしてゆく。
平穏な日々を送るうち、「異形の人」は創作することのなかに生きることの意義を見出す。その姿は監督のリンチ自身を連想させる。
「異形の人」がその異形の身体を好奇の目にさらすことによってしか社会に受け入れられないように、リンチは自らの「異形のイメージ」を
スクリーンの上にさらけ出すことで世界と繋がる。監督のリンチは、そんな自分のアウトサイダーとしての心情を、エレファントマンという「異形の人」に仮託して表現したかったのかもしれない。
終盤、「異形の人」の人生最良の日となる劇場の場面で、彼の目を通して見られる舞台を描きだす映像は、リンチの作品であると同時にある意味「異形の人」の作品でもある。
空想の世界に生の喜びを見出す二人のイマジネーションの所産である、そのモノクロームの映像が切なくも美しい。
ユニバーサル=StudioCanalレーベルから発売のDVDですが、
本編はPALマスターではなくNTSCマスターを使用しているようで、
正規の上映時間(124分)で収録されています。
画質も良好。
字幕翻訳にも特に不自然な点はありません。
なお本作のDVDでは、過去にジェネオンから
英語5.1ch音声を収録した
「作品生誕25周年ニューマスター版」が発売されていますが、
本商品では2.0chでの収録となっています。
特典として、実際のジョゼフ・メリックについての見応えあるドキュメンタリー
「The Real Elephant Man」を収録。
粗悪な出来のソフトが少なくないこのレーベルのDVDの中では
かなりの良品の部類に入ると思います。オススメです。
素材はビニル系のシールに型押しで凹凸をつけて、
コーティングパターンを一応再現されていますが、
なんとなくメリハリがありません。
また、裏面に糊がついていますが、
接着剤で補強しないと後から剥がれてくる恐れがあり、経年変化で
模型完成後にシートが劣化したり縮小する可能性も考えられますので、パテを使った従来タイプでの
コーティングをしたほうが良いかもしれません。