アメリカ産メタルコアバンドの5th。マシューがメロディに溢れていると話している通りキャッチャー性に溢れており非常に聴きやすくなった。どれも曲のクオリティは高く並みのバンドでは出せない音を出しているしメロディックなリフでスピーディな10などは気に入ったが…どの曲もそうだが怒涛のスラッシーなリフや怒涛のグロウルを連射する様やドラマティックに
仕上げようとしている様、全てにおいて物足りなさが付きまとい高揚感が絶頂を迎えることなくどれも終わっていくのが残念だしもっと練れたんじゃないかという気が
ヴォーカルの声質がジェイムズ・ヘッドフィールドに似ている他、アルバム後半12にインストが配されている事から、メ
タリカと比較されやすいと思う。
ただ、音はもっとアメリカのバンドらしく、カラッとしている一方、ヴォーカルのアレンジなどはより複雑で、むしろ、デス・エンジェルやテスタメントといったベイエリア・スラッシュと呼ばれたバンドに近いと思う。少なくともメ
タリカ(クリフ・バートンが持ち込んだ?)が持っている英国、欧州的な威厳や構築美を期待すると肩透かしを食らう事になるだろう。
ただし、一パワー・メタル・バンドとしてみれば、近年、稀に見る傑作だ。同期のメタル・コア勢とも一味違う個性を聴かせている。ツイン・ギターやハーモニー・ヴォーカルの絡みも見事でフックも多いし、
ボーナストラック含めて14曲という構成の中でも、捨て曲、中だるみはなく、一気に聴ける。
13では8分に及ぶインストで、バンドの力量を存分に見せつけているが、ここまでやってもらえば、スタンディング・オベーションですよ。