これは、中村紘子がリリースしたアルバムとしては、かなり異色のもので、収録されている曲のすべてが、全音ピアノピースから選ばれています。
「アルプスの夕映え」や「花の歌」といった、発表会でおなじみの曲から、「ラ・カンパネラ」のような、技術的なレベルの高い曲まで入っていて、実にバラエティに富んでいます。
それと、カセットテープ版(そういえばこのアルバム、カセットテープ版もあったんですよね)に入っていた曲のいくつかは、CD版では削除されてしまいましたが、削除されたそれらに代わって、
ショパンの「葬送行進曲」、そして、映画のテーマ曲にも使われた「ノクターン第20番」が、このアルバムに入っています。
このことから言って、大人から子供まで楽しめる1枚だと思います。
公開当初映画館で観ましたが、前知識の無いまま観てしまったため、
タイトルから想像していたイメージとあまりに違うショッキングな
内容に、かなりショックを受けた覚えがあります。
更に後になって、この物語が実話を元にしていること、映画の中で
小説家に憧れていた少女が実際に有名小説家になっていること、
イマイチさえないなぁ と思って観ていた少女が「タイタニック」の
主演女優であること を知って更にびっくり。
殺人を扱う内容ながら、映像自体は非常に美しく、ファンタスティック
なのが印象的でした。ロード・オブ・ザ・リングを観ていないので比較
できませんが、この映像の美しさによって「殺人」という行為に向かう
少女達の心の動きに、狂気ではなく崇高さすら感じてしまうほど。
また、そんな映像美と内容とのギャップが、かえって背筋の凍るような
恐怖を感じさせている気もします。
2012.10.9、15歳のパキスタンの少女マララ・ユスフザイさんが
通学途中に銃撃された事件を覚えていますか?
本書は
イタリアのあるジャーナリストが、
マララさんの書いた日記、
ニューヨーク・タイムズの2本のドキュメンタリー、
銃撃前後のマララさんご自身と彼女のお父様のインタビューを元に
一冊の本を執筆し、
翻訳・出版されたものです。
マララさんの日記とは銃撃以前、
マララさんが、女子校を経営する彼女の父親の
友人であるジャーナリスト・ジャワドさんの依頼で、
イギリスのテレビ局のウェブサイトに匿名で発表していた日記です。
同ジャーナリストによる女子校を取材したドキュメンタリーにも
彼女は協力・出演されていたことも分かり
彼女を標的として、銃撃された事情が理解できました。
彼女が果敢に女子教育の大切さを
全世界に呼びかけているその強さの裏側に
父親のぶれない教育、
女子教育への熱意がそこかしこに感じられました。
「教育」ありきですね。
個人的には、マララさんの肉声、パキスタンの歴史、
イスラム教の教え、タリバンとの対立の背景を
小学生でも分かるような平易な言葉で
もっと詳しく書いてほしかったなあと思いました。
また、マララさんによる国連演説は全訳を掲載されても
よかったのではないかと思いました。