タイトルだけ見てなんだろう?と思われた方のために説明しておきますが
このCDは今から20年ほど前に発売された8センチシングル6枚組のBOXセットです。
「
パタリロ」「ストップ!ひばりくん」「GU-GUガンモ」の3作品の
OPEDと挿入歌をそれぞれシングル2枚ずつに分けて計27曲収録しています。
現在ではアニメ歌年鑑と週刊少年アニメ王があればこの3作品のOPEDは
全て聴くことができるのですが、それ以前は「あの頃のアニメ」という
オムニバスアルバムに3作品のOPが収録されているだけでEDはこのセットでしか
聴くことができなかったので、
オークション等でも非常に高額で取引されていました。
現在でも単独でミュージッククリップが発売されている
パタリロ以外の
挿入歌はこのセットでしか聴くことはできませんし、
パタリロも
ミュージッククリップに未収録の魔夜峰央先生が歌われたスターダスト計画の
主題歌まで収録しているので音源のレア度が高いです。
収録時間的にCD1枚に収まるので、同じメーカーの
タッチの完全版ベストみたいに
まとめて復刻して欲しいところですが。
この作品が幅広く、老若男女とわずに人気爆発したのは
ひとえにアニメにおける美少年をすべて女性声優に
演じさせた事だと思います。
藤田淑子さんが前に、マライヒを演じた当初は原作ファンから
「おかまじゃないんだぞ!」とかみそりレターまでもらって
怖かったと語っていましたが、結果としてはマライヒをはじめ
バンコランとからむ美少年を、もし男性声優に与えていたら
それはリアルさが出てしまい、同性愛的描写がより顕著になり
気持悪いと拒否反応の方が露骨になったのではないでしょうか?
かく言う自分も小学生の時にこのアニメを見ていたときは
てっきりマライヒは「ぼく」と喋るボーイッシュな女性だと
勘違いしてましたし、それだからこそ、原作の同性愛描写が
緩和され、
パタリロのギャグが全開に発揮できたと思うんです。
ちなみにザカーリを
戸田恵子が演じていますが、この方は
この頃から驚くほど上手い。なんて凛としたかっこ良さか。
反面、原作ではどんどんロリコンキャラと情けなくなる(笑)
ヒューイットは谷育子が演じてますが、彼こそ、男性の
声優が演じてしかるべきだったのでは? 塩沢兼人とか。
なんか、良く分からなくなってきた。まず、91巻が屈指のつまらない内容を誇っていたわりに、本作、結構面白い、ストーリーが。話も90巻の「小さいおじさん」の続きだし。で、今回、どの話も、ちょっとひねりが効いているというか、オチがわりと読めない(が、昔よりは読めるが・・・)ほうだ。パタリロの悪知恵と人情家のバランスも取れている。しかしだ・・・本当に、これ、作者本人の絵で描いているの?
正面の絵もかなりやばいが、横顔のバンコランが、特に許せない。こんなまのびした顔のバランスでしたっけ?バンコラン。本人が描いているとしたら、あまりに久々で、顔の描き方忘れているとしか・・・。一コマのマライヒが、まだ、昔と変わらない感じなだけに、違和感が凄すぎる。本人が描けなくなっているから、横顔で一コマ、正面から一コマしか描いていないのではと、うたぐるほど。
しかし・・・ストーリーに関しては、明らかに復調の兆しが。このアンバランスさとミステリアスさも、パタリロの魅力なのか?
前巻90巻ラストの小さいおじさんの後編、妙に間延びした横顔のバンコランがどう動くの?・・・だけが楽しみで買ったが、掲載誌の関係なのか、飛ばされ。次巻に収録?こういう話が飛ぶのはあまり良くないと思うなあ。編集も気を使った方が良い。話自体は、同傾向ではあるが、まあまあ。しかし、80巻代半ばまでは、まだなかなか人情的にも知性的にも色気的にも深みのある話が結構あった。推理もなかなか考えさせるものも。しかし、いまや、気の抜けた感が独特の癒しがあるパタリロとタマネギのかけあい、一回きりの登場人物、あっさりして省エネの作画と、何度も何度も読み返すたびに発見があった、50〜60巻くらいまでの充実度とは比較にならない。
例えば、一つ提案なのだが、適当な名前のタマネギを登場させ、それがトラブルの原因というのは良くあったが、かつてはほとんどのタマネギの素顔や、もっと深いキャラ描き分けが見事だった。ハンコで押したような小太りのタマネギばかりでなく、各自個性的な美青年ぞろいだったタマネギの素顔をもっと丁寧に描くだけでも、話に深みがでるのでは。