最近、ブルースも見直されて、若い人も聴くようになったようです。
それなら、これを見て下さい。聴いて下さい。その後の、ロックも
ジャズも、ここに原点があります。
「ジミ・ヘンドリックスのあのフレーズも、マディ・ウオーターズのフレーズさ」とバディ・ガイが話します。
ウッドストックで聞けるジミの即興演奏の基本もこんなところにあったのです。
ひとりひとりの解説をする余裕はありませんが、もう一人だけ言わせてください。Sonny Boy Williamson です。マウス・ハープ(ハーモニカ)の名手です。彼こそマウス・ハープの名人です。「空前絶後」とは彼のことでしょう。ハーモニカをまるで自分の指の一部のように操るのです。
ブルースは永遠です!
極初期の一部や後年に発掘されたライブ盤を除き、キャリアのほとんどをチェスレーベルで録音したウルフ。
そのチェス時代のCDは、おおよそ以下の3パターンがある。
・SP用録音の編集盤
・LP用の録音
・上記から編まれた後年の編集盤
ウルフの真骨頂は50〜60年代のSP用録音にあり、名作・名盤の類は総て「SP用録音の編集盤」。
一方の「LP用の録音」は6枚だけで、以下のように分類できる。
★競演企画
「The Super Super Blues Band(1968年)」
「The London Sessions(1970年)」
★サイケ・ロック企画
「The Howlin' Wolf Album(1969年)」
「Message To The Young(1971年)」
★晩年の原点回帰
「Live And Cookin'(1972年)」※ライブ盤
「The Back Door Wolf(1973年)」
キワモノ、話題性が先走る「LP用
セッション」の中で、本作は唯一ウルフ本来のスタイルを貫いたスタジオ作だ。
加齢と病気などで本調子ではないものの、気迫で食い破るような魂の咆哮。
入門にはSP用録音をまとめた「
Moanin in the Moonlight & Howlin Wolf」「
Real Folk Blues/More Real Folk Blues」を強くお薦めするが、本作もまたウルフの生き様が眩しい見事な遺作だ。
唯一の正規ライブ盤「
Live & Cookin at Alice's Revisited」と併せて是非。