本DVDは、原将人監督によるカルト作「20世紀ノスタルジア」のメイキングである。本編はいわば奇想天外な物語であり、評価に困る作品(笑)だが、このメイキングは年を追うごとに「貴重な」ものになっていくのではないか。メイキング監督が
犬童一心であることもビックリだが、
広末涼子の成長の過程が見られることが最大のポイントだろう。本篇はよく知られるように、一度撮影が中断している。それゆえに、1995年夏の、まだ「若手の女の子」だったヒロスエのオーディション風景と、トップアイドルになってから再インした1997年の溌剌とした表情の「差」が凄く興味深い。オーディションは1995年6月に、オフィスシロウズで行われている。何か「場末のオーディション」っぽい映像が、今思うととってもリアルでよい。これを観るだけでも価値がある(笑)。また、母親役の余貴美子との現場も楽しそうだったが、その後、まさかオスカー作品でお互いにメインキャストを演じることになるとは、この時点では想像もできなかっただろう。本篇はさておき、本DVDは今後どんどん価値が上がっていくと思うので、ヒロスエファンは必携の1枚だろう。