2011年3月に始まり、今も「現在進行形」の問題であり続ける「核エネルギー」ですが、何故か自己勃発当時に比べて
報道上の扱いが小さくなり続けている事に「(・3・)アルェ〜?」となっている方も多かろうと思われます
連載26年目、掲載誌を失っても「大人の科学マガジン」に移って発表されている人気シリーズ「まんがサイエンス」第十四弾は
冒頭のテーマがあさりよしとお先生が得意とする「核エネルギー」です!
あさりよしとおと言えば「核」、「核」と言えばあさりよしとおと言うぐらいに作者にとって扱い続けてきた「核エネルギー」
古い所では「ラジヲマン」の様な笑うに笑えないナンセンスギャグ作品に
仕上げ、比較的近年の作品としては「
新装版 HAL―Hyper Academic Laboratory (ガムコミックスプラス)」で
掲載当時に起きた「東海村JCO臨界事故」を取り上げ、被曝者を「生きている」と発表し続けてきた政府やマスコミを思い切り皮肉った作者が
「科学まんが」でどのように「核」を語るのか…?
結論から言えば「分かりやすい」。これが全てです。福島原発の事故から暫くニュース番組で報道され続けたにも関わらず
少しも違いが説明されなかった「シーベルト」と「ベクレル」という単位がこれ以上分かりやすくならないレベルで説明されてます
パソコンの概要である「CPU/メモリ/ハードディスク」を「職人の仕事の早さ/机の広さ/抽斗の大きさ」に例えたのと同じレベルで
「シーベルト/グレイ/ベクレル」の各単位をど素人にも分かるまで噛み砕いて教えてくれる作者の姿勢には頭が下がります
核エネルギーの問題を「現在進行形」として語りたいけど、知識不足のまま語っては議論をする相手に舐められてしまうと不安な方には
放射線量の測定方法の原理から核分裂の制御方法に始まる原子力発電の基本に至るまでの体系的な説明がなされている一冊であり
これ以上無いぐらいに必要不可欠な入門編となっています
作者が「科学の象徴」として教え込まれ、同時に「本当に大丈夫なのか?」と疑念を持ち続けてきた核エネルギーの基本を説明した本作
冷静に核の問題を語りたいと言う方には絶対的にお勧めです!