蠢太郎 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
大長編 龍、仁 と素晴らしい作品の中、このような秀作を書く(いろいろ調べたりするのも)暇がどこにあったんだろう。
村上もとかは、どの作品を読んでも裏切られない。
歌舞伎の歴史をもっとしっかり勉強してもう一度読もう
(最後のほう、主人公がけがした時に運び込まれる病院はファンサービスか、遊び心!?)
NAGISA [VHS]
12才の夏休みの思い出がいっぱいつまった、なぎさの江ノ島物語。
大人にもなれずに戸惑い揺れ動く、思春期の少女のひとなつの物語りを
小沼監督が演出。
ファミコンもカラオケも携帯電話もまだない。昭和の少女の最も多感な思春期を描く。
湘南の陽ざしと共に哀感を込めて、「恋のバカンス」を始めとする黄金の60'sミュージックをバックにした
珠玉の湘南ムービーです。
終わりなき旅 僕はマンガをこう創ってきた
村上もとかの自伝、漫画に対する向き合い方などがつづられた本。
漫画とは何か、なにが「面白い」とかんじさせるのか、その本質を抑えていつも作品を作ってきたのだと思った。また、アシスタントに対する考え方も、人間性の低い漫画家が増えている中、本当の意味で人を育てているんだな、と感じて、共鳴した。
村上もとかの漫画は、とてもリアリティにあふれたものが多くて、
ヒット作の「JIN〜仁〜」も、なんでこんなに医療に詳しいの?!っとびっくりしたくらいだが、
医師でもない村上もとかがどのように専門家と作品を作り上げていったのかという背景もかかれていて、こだわり方や、考え方が素直に書かれていて面白い。
絵の上手さを追求する漫画家は多い。
だけど、絵の上手い漫画家のヒット作は実はそんなに多くないのではないか。
村上もとかの絵自体は、デッサンが狂っているところも当然あるし、絵がすごく魅力的なわけでもない。だけど、作品はぐいぐいひとを引き込むし、その間「夢」を見られる。引力があるのだ。
絵の上手さよりも、話の楽しさ、偽の世界をいかに本物に見せるかという工夫。
面白い作品は、やっぱり、このような姿勢から生まれるし、それは絵の上手さ以上に漫画家に求められるものなのだと、再確認した。漫画雑誌の不況といわれるが、もう一度、この原点にもどったら、漫画はまた面白くなるだろう、と思った。売れない漫画家に、一読をおすすめしたい。
岳人列伝 (小学館文庫)
「想像をめぐらす」ことも本読みの醍醐味だけど、
これまで山岳小説を読んできて、どうしても想像し切れなかった部分の霧が一気に晴れた。
既にして岳人の方々にしてみれば何でもないことでしょうが、
この霧の晴れは、素人には大きい。
これにて、ますます山岳小説にのめりこむ。