そして生活はつづく
ミュージシャンや俳優、映像ディレクター、そして文筆家として才能を発揮していて、そのルックスから優しく誠実な印象も与える星野源。
でも、本書を読むと、なかなかのダメ人間みたい。
携帯料金の支払いがなかなかできなかったり、洗面台をびしゃびしゃにしてしまうことに悩んだり、人付き合いが苦手だったり。
題材はほとんどがタイトルのように普通の人の生活。
その意外なダメっぷりに笑ったり、同じダメ人間からすると「あーわかるわかる」とおもったり、単純におもしろい。時折出てくる「仕事仲間のK」に正論を言われて凹むところも笑える。(Kってカクバリズムの角張さんでしょうか笑)
でも、そんなくだらない話の中で語られる星野さんの考え方にはすごく共感するところがあったり、考えさせられることがあったり、得るものも多かったです。
「生活」は苦手でも、しっかりと自分を持った人なんだなーと思い、親近感を抱くと同時にやはり素晴らしい曲を作るだけのことはあるよなあ(偉そうですみません)なんて納得させられました。アルバム「ばかのうた」のルーツも垣間見えた感じがします。
テンポの良い文で読みやすくおもしろいのと、ひとつひとつのエッセイはそれほど長くないので、何度も繰り返し読んでいます。
星野源ファンはもちろん、全てのダメ人間におすすめです!
ちなみに、下ネタも結構出てくるのですが、あまりにもさらっと書かれているからか、文体のせいなのか、星野さんの人柄のせいなのか、女性の私が読んでも全然不快に感じさせないのがすごいとおもいます(笑)。
少年メリケンサック [Blu-ray]
ストーリーは、メジャーレーベルのカンナは新人発掘できず
契約が切れようとしていたが、ある日ネットでイケメンパンク
の動画を見て「新人発掘!」と勇んで契約交渉に行くも、実は
動画が25年目の解散映像だった、というもの。
クドカンこと宮藤官九郎が脚本を手掛けていて、冒頭から勢い
良く映画が始まります。このクドカンの疾走感、良いですわ!
随所で小ネタをはさみ、笑いを取って、場面転換。これらは
同じく脚本の「舞妓Haaaan!!!」などでも味わえましたね。
ご都合主義と侮るなかれ、です。
また、カンナを演じるのは宮崎あおい。冒頭、新人発掘後すぐ
契約交渉の指示を受けて「今からですかぁ?」とダダをこねる
仕草や、ベッドの上で彼氏と戯れる姿にやられました。その他、
見事なコメディエンヌを演じてます。喜怒哀楽では、喜ぶ演技
が最も良かったですね。コロコロ変える髪型も良い。
彼女の脇をユースケ・サンタマリアや佐藤浩市・木村祐一らが
抑えていて、この点でも安心感のある映画でした。
なお、例によってDVD豪華版のほうが特典が良いです。
映像にこだわる映画では無いので、Blu-rayでなくても良いかも。
少年メリケンサック デラックス・エディション [DVD]
少年メリケンサック オリジナル・サウンドトラック
映画の中でインパクトの強かった、
「アンドロメダおまえ」と、「僕らのネバーマインド号」が
フルで聴けて楽しかったです。
マサルの「さくららら」「自信がない」も、聴いてて笑いが出るし、
「守ってあげたい」も、「何で?」と思いながら、いい感じです。
歌以外のBGMはゆったりほのぼの系が多く、短いながらもくつろげます。
また、名シーンを蘇らせるBGMもたくさん入っています。
名作ぞろいで、映画を見た人は必聴ですよ。
少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]
先日のテレビ放送を見ました。「昔はそこそこ人気のあったパンクス。でも今は冴えないオヤジ。そのオヤジ達が再び立ち上がる」ーこう書くと、『ごくせん』や『ルーキーズ』みたいな、分かり易い感動モノを思い描くだろう。………が、さにあらず(笑)。確かに、オヤジ達は輝きを取り戻すのだが、やはり彼らは少しズレており………(苦笑)。クドカンて、結局シャイなんだろうなぁ。いい話を書こうと思えば書けるのに、あえて煙にまく。なので、カタルシスはありません(笑)。ただ。役者さんの演技は素晴らしいし、所々笑えるし。“中年の悲哀”や“バンドの難しさ”はちゃんと描かれてるし。それなりには楽しめる映画です。木村祐一が想像以上に良かったな。