Live at Montreux 2008 [Blu-ray] [Import]
2008年7月18日、スイス、モントレー・ジャズ・フェスティバル(会場はストラヴィンスキー・オーディトリアム)にてライヴ収録。ボーナス・トラックは2008年7月31日、フロリダ、クリアウォーターにてライヴ収録。2008年のモントレー・ジャズ・フェスティバルの目玉中の目玉、RTFの一度きりの復活コンサートを収録した作品である。期待するな、と言う方が無理だな。モントレー・ジャズ・フェスティバルの方が12曲、ボーナス・トラックの方が5曲。いずれも期待に応える演奏である。 ただこのDVDはリージョン1なので注意が必要で英国版のリージョン2なら問題ない。
確かに皆、風貌は変わり、多くのRTFではない音楽を創ってきたわけだが、ここでの奇跡的な変わらない音は何だろう、と思ってしまう。特に、『ノー・ミステリー』でのアル・ディメオラのオベイションとチックのヤマハの掛け合いはスゴイ。そして『ロマンチック・ウォーリァ』でのアルのガット・ギターとスタンリー・クラークのアルコ、そしてチックのアコースティック・ピアノ、ツボを外さないレニー・ホワイトのドラム。何度も何度も観直してしまった。ホントに素晴らしい。
ボーナス・トラックの方は映像的には若干手抜きで一度に色々なアングルを見せているだけで工夫のない映像だが、音は素晴らしい。特に、アル・ディメオラとチック・コリアの『スペイン』には唸った。往年のRTFファンだけでなく、今のジャズ好きにも観て欲しい傑作だ。
Mothership Returns
2011年の夏から秋にかけて行われたツアーを音源とするライヴ作品。聴き終わって未聴の方に強調しておきたいのは、DVDを観なければこのアルバムの凄さは分からない、ということだ。
『INSIDE THE MUSIC』と題されたメンバーのインタビュー(64分)も貴重な内容だが、何と言っても新メンバーでのライヴ映像が凄いのだ。特に『ROMANTIC WARRIOR』が凄い。2011年モントレー・ジャズ・フェスティバルでのこのライヴを5.1chにして(このDVDは親切にもステレオと5.1ch両方が収録されている)聴いて欲しい。チック・コリア、スタンリー・クラーク、レニー・ホワイトのという黄金期のメンバーに、ジャン=リュック・ポンティ、フランク・ギャンバレが入っての構成なのだが、この2人の新メンバーの演奏が素晴らしくて、スタンリー・クラークが嬉しそうに感心しながらベースを弾いているのが可笑しかった。そしてスタンリー・クラークも凄いソロをやるのだが、やったあとに『もうダメ弾けない』みたいな仕草をして余計に笑った。そのくせその後も5人の呼吸はピッタリで、5.1ch録音の臨場感も相まってうなりっぱなしだった。
何しろキモはこのDVDだ。CDの方はこの演奏に比べたら『おまけ』程度に感じられるだろう。昔からのリターン・トゥ・フォーエヴァーのファンの方は是非観て欲しい。
ザ・マザーシップ・リターンズ【初回限定盤2CD+DVD/日本語字幕付】
いい、いい、いい、
大好きなサウンド。
タイトなタイトなドラム。
安心して身を委ねるベースライン。
guitaー、そして、ヴァイオリンの響き。
なんといってもキーボードが、築き上げる主旋律。
たまりません。
Return to Forever
マイルス・デイビスの変貌によりジャズはエレクトリックやロックとの融合化を目指すようになり、一方で前衛と呼ばれていたニュー・ジャズやフリー・ジャズが袋小路に入り、それまでのような衝撃力を持ち得ない時代に突入したとき、新たな方向性を示す音楽が登場した。マイルスの元にいたウエイン・ショーターがジョー・ザビヌルらと結成したウェザー・リポートとチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエヴァーがそれだ。リターン・トゥ・フォーエヴァーはおよそこれまでのジャズと違った心地よく親しみやすい楽想で、エレキ・ピアノがこれほど効果的にポジティブに聴けること自体が驚きでもあった。アルバム・ジャケットもジャズのイメージから程遠く、健康的で昼間の音楽という感じである。この当時チック・コリアの言葉で彼の考えを端的に表した言葉がある。それはフリー(ジャズ)に対する彼の答えでもあるが「フリーとは美に対する選択と決定である」というものだ。つまりフリーを自己目的化する傾向にあった当時の前衛に対する警句であり、同時にコリアの美意識を吐露しているのである。この後フュージョンを中心とした新しい時代のジャズが席捲することになるが、このアルバムこそその記念碑的ポジションを示した名盤といえよう。
Live at Montreux 2008 [DVD] [Import]
見つけた時に迷わず即購入(笑)今となってはブルーレイも安いのでそちらを買えばよかったかなとも思う。これだけのものが安く簡単に手に入るとは良い時代になったと思う。同時に何でこんなものがこんなに高いの?というものまで売られてる時代だけに聴くほうは自分の耳・目・感性の全てを総動員して選ぶ必要にも迫られることになる。
が、しかしこの作品にそんなことは愚問だろう。