あかずの間(廉価版)
まさしく「ヴィジュアル・ノベル」で、一応選択肢はあるのだけれど、ストーリーがダイナミックに変化していくということはなく一本道です。
誤った選択肢を進むと効果覿面で、主人公があっさり死んでしまいます。
アメリカン・コミックの漫画家、ジーン・コーランのおどろおどろしい絵や、心霊ホラーっぽい題名とは全くイメージが異なり、内容はSFホラー。
モンスターの正体は余り真新しさがないアイデアなので、ミステリやSF小説のファンだとほとんど序章でわかってしまいますが、小説としても中堅どころの出来ですので、最後までそれなりに楽しんだプレイが出来ます。
あえて人物の絵を登場させないで、背景やアニメーションCGでビジュアル的な盛り上げをする点はさすがです。
プレイ時間約2時間程度で、手軽に楽しめる作品でした。
超高層のあけぼの [完全版] [DVD]
幼い頃、父が会社の業務命令で見に行くことになり、無理やり連れられて見た。
好みの監督・役者というものはまだなくて、純粋に「映画」という観点で見た。
役者の顔は、田村正和と伴淳三郎しか覚えていないが、
そのスケールに圧倒され、この「超高層のあけぼの」というタイトルは、
日本の超大作として幼い心に刻まれた。
その超大作の発売と聞いてすぐ購入。
あらためて見ると、当時の感動がよみがえるとともに、新たな感動が・・・
チャレンジャー、サポーターの思惑や駆け引き、当時の世相なども描かれており、
日本文化の記録映画としてもグー。
出演者も、超豪華キャスト。
古いけれども新しく、豪華だけれどもシンプル。
2時間40分という長さを感じさせない、お勧めの1本です。
世界の建築まるごと事典―世界遺産から超高層ビルまで100の読み方、楽しみ方
「建築」という分野に興味を持ち始めた方に特にお勧めしたい、「建築入門書」というべき内容の一冊です。
ギザのピラミッド、ヴェルサイユ宮殿、エンパイア・ステート・ビルといった古今東西の有名建築物を単に取り上げているだけでなく、「城」「家屋」「高層建築」といったジャンルごとにまとめられているので、各ジャンルの時代ごと、あるいは設計した建築家ごとの特徴を比較しやすいのが本書の特徴です。また、パラディオ、ル・コルビュジエ、丹下健三、安藤忠雄などの著名建築家の足跡について簡単な紹介がなされていることも、建築に対する理解を深める一助となるでしょう。書籍全体を通して、専門用語は最低限に抑えられており、また必要な注釈・解説は入っているので、予備知識がなくとも肩肘張らずに読めるはずです。
911テロで崩壊したワールドトレードセンタービルなどは別にして、ほとんどは訪問可能な建築物ですので、旅行前の予習に活用したり、あるいはかつて訪れた建築物の意外な裏側に触れたりすれば、より一層本書を楽しむことができるのは間違いないでしょう。
超高層ビルの“なぜ”を科学する―だれもが抱く素朴な疑問にズバリ答える!
本書は一般の人々が都心などに聳え立つ超高層ビルを見たときに湧き起こる
「なぜ」に科学的に答えるために執筆されており、質問に答える形式で
超高層ビルを科学的な面に着目し、ほとんどの質問には見開き2ページで
回答されています。
例えば、1章の超高層ビルの地震対策の話では、よく見聞きする「柔構造」に
はじまり、「耐震」、「免震」、「制震」違いなどが説明され、以降
2章ではビルの工法、3章でコンクリートをはじめとする材料に着目し、
4章では運用上課題となる防災対策、5章では水や電気、エレベータなど設備面、
6章はビル風や電波障害など周囲を含めた環境対策について科学的な
側面から解説がなされます。
専門用語をほとんど用いておらず、全く前知識のない人でも書かれている
内容をきちんと理解することができるようになっており、本書を一読すれば
超高層ビルの全体像をイメージできるようになると思います。
本書は大成建設の超高層ビルに関係するスタッフが中心となり、情報の収集や
執筆を行い制作されたもので、多くの技術が自社の固有技術や開発した
技術のように紹介している傾向は見られますが、書き方を含めて読んでいて
目障りではない程度だと思います。