アニメ版は見たことが無いのですが、面白かったです。 次の三巻目で終わるそうなので、長編より短編が好きな人 (僕みたいな人)にはお勧めします。 原作がアニメなので話の内容もしっかりしています。 ポスト「エヴァンゲリオン」症候群作品です。
GAINAX制作の全12話からなるアニメ、その第7話と8話が収録されています。 物語も半ばを過ぎ、ラストに向けて、それまでに張ってあった伏線の確認と整理、キャラクターの置かれた立場や考え方などがあらためて描かれています。 7話はメインキャラクター全員で海へ行く話。前話が山だったので今度は海、と安直といえば安直ですね。ただ、今回は「もう1人のヒカリ」が発現するし、怪物も出る、主人公の変身もある、と前話のような平和な展開ではありません。にもかかわらず、キスをめぐっての各キャラクターの動きはギャグそのものです。この7話は全体にギャグ色が強く、ある意味全12話の中では異色の出来になっていると思います。特に、タケルとヒカリのキスシーンを目撃したマリのリアクションまでギャグになっているのは、このシーン以外でのマリの様子とはおおよそかけ離れていて違和感を感じました。この7話のみ脚本・絵コンテ・演出・作画監督をお一人の方が受け持っているのですが、その方が、他では2話の演出を受け持っているだけで、それほどこの作品に関わっていないという事も違和感の要因かもしれません。 8話は学校→山→海と続いた「ヒカリに美しい世界を見せる」シリーズの最後とも言うべき、夏祭りのシーンが描かれています。祭りといえば、最中の喧騒とその後の寂寥を対比して描いている場合が多いのですが、この話でもまさしくそのとおりで、飼っていた鈴虫の死がその寂寥感に拍車をかけています。更にタケルの変身についての解説や、ヒカリがもう1人のヒカリを認識するなど、クライマックスへ向かうターニングポイント的な位置付けの話になっていると思います。 ヒカリの人格は、最初にタケルと出会ったときに形成されたと考えられます。8話前半ではヒカリのイノセンスさ(タケルの「心身とも健康な証拠」やマリの「宣戦布告」に対するリアクションが顕著です)が非常に強調されていますが、これはタケルの理想の女性像から作り出された人格でしょう。では、もう1人のヒカリの人格はどこから?それこそが序盤から見え隠れしている少年時代のタケルの経験にかかわってくる部分で、物語の大きな伏線となっていると感じられます。 いくつかの伏線が顕在化し、物語は後半へ進みます。そのターニングポイントの巻としては、7話の違和感が少々残念ですね。
劇中序盤の平凡かつ穏やかな日常を彩るBGMから 戦闘中の(最近ご無沙汰だが…)激しい展開を連想させるBGMまでを収録。 個人的にガイナ作品のBGMはナディアの頃から一線を画して いると勝手に思ってしまっているので、押さえておきたい商品である。
この作品、良くあるアニメを漫画でもやってみました、と言った感じのものだ。しかし、実際に読んでみると内容が違うように思える。テレビアニメのストーリーを短く、イイとこをつなぎ合わせたような感じがするからである。他のアニメ先行型の漫画版と違いがさほどない。言いかえれば期待通りの漫画と言うことだ。私はこうしたアニメと同じ展開を好むので、まあ楽しめた。しかし漫画オリジナルのエピソードを期待する人にとっては少々物足りないものだと思える。まあ、この漫画を読む人はそうしたお約束が分かっている人だと思うので、その期待は裏切られないだろう。序盤のアニメと同じ展開は良いと思うが、この先の展開ではテレビアニメと違うアプローチを期待したい。
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