今までの料理本とは違った
フランスのそれぞれの土地での料理の歴史と人々の文化を知れ、とても興味深く拝読しました
焼き菓子の本ですが、1.大きな焼き菓子、2.小さな焼き菓子、3.デザート焼き菓子の3種類に分類されており、それぞれ、17種、24種、5種の合計46レシピプラス焼き菓子をめぐるお話としてエッセイが8話載せられています。
私自身のお菓子作りは焼き菓子中心なので、ほとんどの既存のレシピは知識として持っていたつもりですが、この本のレシピはどれも見たこともないようなものばかりで、思わず引き込まれました。もちろんパウンドケーキやマカロン、タルトなどがベースになっているのですが、材料や製法が他のものとは少し違って、筆者が
フランス国内の各地方をそれぞれ回って足で集めた、その地方に伝わる珍しいレシピ揃いです。それでも特別な材料を使用しているわけではないので、普段ケーキ作りを楽しんでいる方ならすぐに取り掛かれるものがほとんどです。
「やさしい」とうたっている通り、どれも素朴な見た目の焼きっぱなしのお菓子ばかりで、それがまた「
フランスのお母さんが作るおやつ」的な味を連想させます。粉に対するバターの分量も比較的少なめのものが多く、リッチではないけど毎日のお茶の時間にちょっと食べたくなるようなしみじみとした味わいのものが多いです。
お菓子の名前が全てオリジナルの
フランス語なので各
タイトルに簡単な説明がつけてありますが、
フランス語名そのものについても意味があるともっとよかったです。見開き2ページの左に写真、右にレシピがある構成で、お菓子自体も大アップではなく、シンプルなクロスの上にお皿に載せられた写真と、レシピページもかなり余白が取ってあるのでとてもゆったりした見た目になっています。レシピ数も多いし巻末のエッセイも楽しく、何度読み返してもあきない本になっていると思いました。とても気に入っています。
フランスの片田舎で小さなレストランを経営するオルタンス(カトリーヌ・フロ)の元に、突然政府の公用車がやって来る。
その理由は、
パリの中心部にあるエリゼ宮殿と呼ばれる大統領官邸に招かれたのだ。フランソワ・ミッテラン大統領の
プライベートシェフとして厨房を任されるが、そこは男社会であり、女性であるオルタンスには風当たりの強い場所だが……。
フランスの片田舎でレストランを経営する女性シェフのオルタンスの元に
フランス政府の公用車がやって来る。
その目的は、彼女はフランソワ・ミッテラン大統領のプライベートシェフとして抜擢されたのだ。
パリの中心部にあるエリゼ宮殿と
呼ばれる大統領官邸が彼女の新たな仕事場だ。プライベート食専用の厨房を与えられるが、男社会の伝統に守られた保守的な
場所でもある。女性であるオルタンスは厨房内では異物のような扱いを受けるが、改革的な彼女は新天地に新たな風を吹き込もうとする。
役人が仕切る事務的なメニューではなく、大統領個人の希望に合う創造性の高い料理を提供するが、規律は創造料理の大きな壁となる。
作品の冒頭は、
南極の
フランス基地の場面から始まる。そこで専任シェフを勤めるオルタンスをオセアニアの取材班が彼女に興味を
持つところから作品が流れていく。現在の
南極基地と過去の大統領官邸の厨房の場面が交互に現れる作りだ。
題名からすれば少しイメージと違うが、名料理が多数登場する作品。内容は意外と現実的で、規律や嫉妬と言ったドロドロ感が強く、
最高を求められる創造料理であっても、予算や規律と言った現実的な問題に直面する。腕と情熱だけでは渡れない世界をリアルに
描いている。熱意の女性ジェフも伝統を重んじる保守的な組織に翻弄され追い詰められていく作りはリアルだ。
料理映画としても「高」の出来だが、
フランス映画らしく「夢」だけではなく、人間ドラマとしても「高」の作品。
カトリーヌ・フロ主演の
フランス映画です。
ミッテラン大統領専属の初の女性料理人、ダニエル・デルプエシュの実話です。
うまそうな料理の数々が出てきますが、この映画の作りに派手さはありません。
料理にしても、豪勢な感じはあまりせず、素材をうまくいかした素朴な感じがよく出ています。
シチュエーションは、その大統領プライベート・シェフだった2年間と、その後、
南極で
調査隊のシェフをやっていたエピソードで構成されています。
みなまでを語らない
フランス調の仕上がりです。