「勝新太郎」という誰もが知ってる超
メジャーな存在が主演してるにもかかわらず、なぜかこれまで約20年近くビデオ化されなかった悲運なTVドラマ。詳しい内容なんて正直言って忘れてしまったが、妙な刑事犯罪ドラマだった。
おそらく視聴率は恐ろしく悪かったことだろう。脇を固めるのは蓮司や拓ボンら個性的なバイプレーヤー達。勝新演じる主人公は娘と一緒にキャンピングカーで生活している(という設定)。ドラマの最後は必ず、親子を乗せたキャンピングカーを捉えたカメラが徐々に引いていき、バックに山下達郎の「マイ・シュガーベイヴ」が流れて終わるというエンディングが強く印象に残っています。当時はまだ子供だったが、大人になった今改めてゆっくりと見直したい作品です。
1980年10月に「大都会シリーズ」「
探偵物語」などが放送された日本テレビ火曜夜9時台の新番組としてスタート。あの勝新太郎監督・脚本・主演ということで大いに注目されたものの、蓋を開けてみると第1回を除き視聴率は1桁と低迷、結局年を越す事なく12月30日にたった1クールで打ち切り。その理由は、奥村真粧美の素人芝居もあるが、勝新太郎の当時としては斬新すぎる制作姿勢。特に音声は同時録音を採用したため、時折セリフが聞き取れないという弊害を生んだ。1998年にバップから全7巻で
VHSが発売されたが、その時は字幕の収録はなく、セリフの理解が進まぬままいつの間にか廃盤に。
そして時は流れ、アナログからデジタルに時代が移った後の2012年10月、「日本映画専門チャンネル」にて1・2話を先行放送。ここで初めてクローズドキャプションという形で字幕が採用され、ここで視聴者は初めてガッツ警視のセリフを理解できるようになった。
その後「怒り新党」で取り上げられ再評価の機運が高まり、そして遂にDVDが発売。早すぎた傑作と言われ続けて34年、クリアな映像と相変わらず聞き取りづらいセリフ、そしてそれをカバーする字幕を以て、我々はようやくその全容に触れることができるのだ。