78年発表の2nd。ベースがニール・マレイからジョン・グリーヴスに交代。管弦奏者を適材適所に配した楽曲が並んでいる。ピーター・ブレグヴァドがヴォーカルで、ジョージー・ボーンが
チェロで参加するなどヘンリー・カウ人脈の流入も音楽的におもしろいと思う。楽曲も前作では大半がデイヴの手によるものだったが、本作では新加入のジョンのものを含めてミラー、ピップも曲を提供している点がポイント。音楽的には更に複雑になり難解な部分もあるが、まだオーラのような魅力は残っており、無視するには惜しい仕上がりである。
美しいストリングス系シンセをバックにシンセ・ベースがリードを取る1.の導入部にはびっくりするものの、すぐに彼ららしい演奏に変化。かなり人懐っこいメロが登場して彼らの初期の雰囲気を思い出させる。2.ではスティール・パンが登場する。良い意味でこれほどトロピカルに響かないスティール・パンも珍しい。3.はめまいがするほど複雑な展開を見せる曲。ミニマル的な要素もあり、かなりソフト・マシーンに近い印象もあるが、ミニマル以外の現代音楽の影響も強く感じられ、彼らの到達点とも言える凄まじい演奏が聞き物である。4.のギター・ストロークも彼らにしては非常に珍しい演奏であり、ほんわかとした雰囲気が心地よい。5.の牧歌的なヴォーカルとその後に登場する美しい
フルートのソロにはハットフィールズを思い出さずにいられないだろう。
前作でゲスト参加していたアラン・ゴーウェンはこの時期
ギルガメッシュを再編してアルバムを発表しているが、本作発表後デイヴがブラフォードに引き抜かれたため、ナショナル・ヘルスに呼び戻されてグループの活動を継続したものの、81年に白血病によって亡くなりグループは解散した。何となく彼の死によってその後のカンタベリー・ミュージックは大きく衰退していった気がする。
単なる洗浄剤として見ているコメンターが多いようですが、洗浄すると潤滑剤(油)も補給されます。四枚歯でも、潤滑剤なしではあっという間に切れ味が落ちます。ケチケチせずに毎日洗浄した方が良いです。
冒頭のディストーションのきいたオルガンから胸倉を捕まえられる。
これは全編、ゲストのアマンダ・パーソンズのひらひらしたヴォーカルやジミー・ヘイスティングスの優雅な
フルートをフューチュアした、明るく軽快な
ジャズロックの傑作である。私が高校生時分(1977年)に発表された作品であるが、全く時代に色褪せない、凄い作品である。
ジャズロックといっても、当時のリターン・トウ・フォーエヴァーや、ウエザー・リポートよりもこちらの方が楽曲、演奏ともに遥かに楽しめた。
ハットフィールド&ザ・ノースやマッチング・モウル、キャラヴァンの作品同様に、死ぬ間際まで聴いていたい懐かしいサウンドである。
ジャケもまた楽しい。メンバーたちの楽しげなレコーディング風景が目に浮かぶようだ。