『クレムリンの枢機卿』で初登場して以来、注目していたジョン・クラークが『容赦なく』で主人公となり、そして終にこの『レインボー・シックス』でライアンとは別の形で活躍します。クラークファン待望の一冊(4巻ありますが)です。ただ寄る年波とポストの所為で、クラークのアクションシーンが少なくなってしまったのが寂しいです。それにクランシーの常として「主人公達の家族に甘い」という点・・・・それを除けば、最高点の出来だと思います。クランシー独特のラストまで気の抜けないストーリーと、ラストへ行くにしたがって、映画のシーンのように素早く切り替わる場面構成で、悪に立ち向かう容赦ないクラークやディング達。読後感は最高です。
ザ・ナイス、アトミック・ルースター、レフュジー、フィールズ、キャメル・・・etc。ブリティッシュのキーボードを中心としたプログレッシブ・ロックばかりを聴いていた時に出会った、このクォーターマスは衝撃でした。
プログレッシブ・ロックの壮大さ、華麗さ、美しさ(ポール・バックマスターも
チェロで参加!)とソリッドで疾走するハードロックのヘビィネスが見事に結晶した奇跡の様に美しく、そして狂おしい妖しい輝きを放つ宝石箱みたいなアルバムでした。
特に、ピーター・ロビンソンの弾き倒し疾走する緊張感溢れるキーボードは、キース・エマーソンをも凌ぐかと思われる位です。(他に思いつきませんが、
ドイツのバース・コントロールというバンドの傑作アルバム「OPERAT
ION」を思い出しました。こちらもヘビィなハード・ロックの中をキーボードが疾走します。)
ベースのジョン・グスタフソンとドラムのミック・アンダーウッドは、ロック・フィールドでも活躍するので追跡できるのですが、ピーター・ロビンソンは、この後に テクニカルなプログレ・
ジャズのサン・トレーダーに参加した後は、ソングライターのショーン・フィリップスなどのアルバムに参加して、現在はアレンジャー(エリック・クラプトンetc)や映画音楽(ゴジラ2000 etc)の仕事をしているみたいで、二度とあの凄まじいキーボードワークが聴けないのは残念でなりません。
このクォーターマスの3人に リッチー・ブラックモアが加わっていてくれたら・・・というのが、何十年もの見果てぬ夢です。(でした。)それは、きっととんでもない、 EL&P、ツェッぺリン、パープル、サバス、レインボーなどと並ぶ、いや越えてしまうくらいのスーパー・グループだったのではないでしょうか?
「ジェミニ」とは双子座という意味みたいですが、この曲の歌詩をみると、「俺はシャイだったり、大胆だったり二つの面があるんだ。黒だったり白だったり、またダークだったり明るかったりもする。それは日に日に違っているんだ。」と、自分の中の二面性(ジキルとハイド?)を歌っているのではないでしょうか。
それにしても、英国の優れたキーボーディストは、DAVID LAWSON(グリーンスレイド)、COLIN TOWNS(イアン・ギラン・バンド)、トミー・アイアー(ゲーリー・ムーア etc 〜故人)みんな、映画音楽とかTV番組の音楽やCM音楽の仕事をしているみたいで、なんかもったないなぁ。
まだ一巻目を読み終わっていない時にレビューを書くのは早いと思いましたが、どうしても著者、出版社にこの嬉しいと言うか待ちこがれていたと言うか気持ちを伝えたく書きました。 最初の登場人物を見た時からわくわくしていましたが最初からスピードの早い展開、周囲の細かな描写による臨場感読み進むのが楽しみです。
決して「オブセンター」シリーズが良くないと言うわけではありませんが、やはりクラーク、ディングと「今ここにある危機」の軍曹また新しく入ってくるキャラクターの念入りな設定はトム クランシーの本流だと思います。
「レインボーシックス」は、現代の国際犯罪に唯一対応する秘密組織。どこにも公式には存在を認めていないが、集まっている人々は、各国情報機関、捜査機関、軍隊などのエリート集団。ここのトップは、永遠の主役ジャック・ライアンの親友でもあるジョン・クラーク。ここに新しい主役となるクラークが活躍するあたらしいストーリーが始まることになりました。
ただ、どうも私には、クランシーらしいプロットの正確さなどよりも、対テロリスト部隊の活躍物語が目立ちすぎ、いまいち楽しめなかったともいえるかも。
これまで、クランシーの本を読み続けてきた人には、物足りないかも!