クリント・イーストウッド主演の傑作西部劇と同じ
タイトルの作品に大いに期待したのだが…
内容は日本版のリメイク映画のノベライズ。しかも、主演は
渡辺謙。つまり、クリント・イーストウッドが演じたアウトロー役を
渡辺謙が北海道を舞台に演じるという。
冒頭と終盤は非常に面白いのだが、中盤のコミカルな描写がどうにもしっくり来なかった。
期待外れ。
オリジナルを数回見ているので やはりあまりにも原作との差異を比較してしまう。これがこの映画を観る時わずらわしい。
原作になかった部分はアイヌ民族への蔑視・迫害が加味されたくらい。それとラストが少し異なる。 映像は美しい。
北海道にはまだこんな荒々しい美しい原風景の場所が残っていたのかと驚きます。
リチャード・ハリスが演じたイングランド・ジョンのロール=國村
隼 までしっかりと出てきて シェリフ?から散々な暴行にあって
早々に町から追い出されたあたりは 原作に似すぎていて笑ってしまった。 何故に女郎屋の主人が殺されなければならなかったか?
この映画の描いている範囲では理解できない。 シェリフ以外の悪党サイドはあまり深く描けていない。
それでも この映画は学芸会レベルのアイドルを使っていないし、真摯にオリジナルを踏襲しようというもくろみはかなり成功していると
思える。
読後最初の感想は「またやられた…」。冷静に見れば例によって美男・美女による如何にもなメロドラマなのだが、にもかかわらず深い感動と悦びを禁じえないのは、最早神業とも言える著者一流の「表現者の企み」によるものか。巻末の見事な解説も必読!