読んでいて、とにかく目からウロコの一冊だった。 講演を文章化したものなので、話し言葉そのままでとってもテンポよくスラスラと読み進めていけるのだが 次から次へと核心をついた言葉が表れてくるので、その度にはっとして、深く納得して、自分にとってすごく密度の濃い読書体験だった。 思わず続けて二度繰り返して読んでしまった。 当たり前のように受け入れてきた既成概念、あるいはキレイに形作られているタテマエを、 くるっと裏返して「本当のこと」を抜き出してしまう作者の鋭さ。 今までにいくつか「恋愛指南本」の類を読んだことがあるのだが、 これはそういう本よりもある意味、とっても実用的な一冊のような気がする。 小手先の問題ではなく、自分にとっての恋愛とはなんなのか、本質的なことを考えさせられてしまうので。 また作者が同性愛者だからということも関係あるのか、男性と女性、両方の気持ちを克明に分析できてしまうという点が面白かった。 特に女性に対してのやや厳しい指摘はどれも的確だと思ったし、興味深かった。
橋本治には、いくつかの古典の「翻訳」本がある。 その彼が、今回はいったい何を言うのかと思い読んでみた。 彼独特の口調にひきずりこまれ、どんどん読み進んでいくと 最後に「受験生用のわかりやすい文学史を書きたかった。」とあるではないか。 「えー?そんなー。」と思ったものの、そこはやっぱり橋本治である。 受験生だけに独占させるなんてもったいない。 それどころか、はたして彼らにこれが入用か?とさえ思われる。 ぜひ「大人」が読むべきだ。 以前から漠然と「なぜ読みやすい古典と、読みにくい古典があるのだろうか?」と 「そう言われてみれば感じていた」ことが解決し、 「古典」は「現代」だということに気がつかされる。 彼の本にはいつも「そうなんだよな。そうなんだ!」がある。
物語は前シリーズの最終シーンあたりから始まります、オープニング・エンディングとも新しくなっております、 見る人により賛否が分かれるとこですが・・前回のシリーズに比べ作画がよくなったのではと思います。
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