本書は、ガイドブック、文学作品、絵画・写真などに描かれた
パリと
セーヌ川に触れながら、19世紀半ば以降、なぜ世界中が
パリに注目したのかを解き明かしている。
「プロローグ」の後、「川を通過する」「運河に生きる」「川を楽しむ」「川を描く」「川に死す」「橋を架ける」と6章に分けられ、様々な視点から
セーヌ川の姿を描いている。
フランス文学が専門の著者だけに、バルザック、フローベール、ゾラから、ウジェーヌ・ダビ、レオ・マレ、ジョルジュ・シムノンまで、彼らの作品の中で描かれた多様な
セーヌ川を、その作品を引用・紹介すると同時に、そういった時に現れる作家の個性にも言及している。
また、祭りにおいては、水上槍試合やボートレースが開催され、釣りや水浴(現在は遊泳を禁止されているとのこと)の場としても利用されてきたとのこと。この傾向は現在でも続いている。2002年以降、海辺にヴァカンスに行けない人のために、
セーヌ川の岸辺を「
パリ海岸」と名づけ、椰子の木・パラソルなどを設置して「コート・ダジュールさながら」の風景を人工的に作って楽しめるようにしている。
パリ市が中心となって企画したもので、年間300万人以上が利用しているらしい。こういった行政サービスがあるとは、うらやましい話である。某都知事には、
フランスの数の数え方を云々言う前に、これ以上のアイデアを出して欲しいものである。
絵画・写真など視覚的な資料が多数紹介されていることも、本書の大きな魅力の一つ。カラーは冒頭の口絵4ページのみだが、モノクロとはいえ、実に多くの図版が掲載されている。
20世紀初頭の
パリの魅力は知っていたが、それ以外の時期の
パリも実に魅力的だと改めて感じた。
第352回 (2003年5月25日放送) の「
パリの
セーヌ河岸」と第400回 (2004年5月23日放送) の「モン・サン・ミシェルとその湾」です。特に、後者は空撮を多用して、神々しいまでに輝くモン・サン・ミシェルの姿をあますことなく、とらえている名作であり、今回、それをもとの品質のまま、ブルーレイ版で楽しめるようになった意義は大きいと思います。黄昏の光を背景にした陰影は圧巻で、世界遺産
スタッフの思い入れと底力を感じます。映像作品として、高い価値をもつものだと思います。
高度なAV環境にあるかたには評価を得られていないようですが、ブルーレイ版だからといって、すべて最高画質でなければならない、というわけではないと思います。少なくとも、DVDではとても表現できない画質を楽しむことができますし、限りなく、撮影時のマスターに近い映像を楽しむことができるのですから。ブルーレイとて、映像を収める以上、データに何らかの圧縮を施すしかありません。そして技術は日々、進歩しています。
音楽は本放送時とは差し替えられてしまっていますが、シテ島の描写にケルトの源流を見出してモイヤ・ブレナンの歌声を重ねるなど、センスの高さを感じます。バイアスをかけずに、素直に楽しまれてはいかがでしょうか。
めちゃくちゃに面白い!訳ではなかった。けど、ヨーロッパのところはなかなかいいと思う。
ドナウ、
セーヌ、ライン川、引退したらぜひのんびりくだってみたいな、と思ういい景色でしたよ。NHkのDVDでした。深夜にやってる名曲アルバムの川版?お酒といっしょがいいのですかね。