1996年、細野晴臣氏とSwing Slowを結成、その高い音楽性で注目を集めたシンガーソングライター、コシミハルさんの5年振りとなるソロ作品。作編曲の能力を活かした個性的で、しかも聴き応えのある内容。美しい歌声で、情感豊かに
ジャズやシャンソンの名曲を歌い上げています。「Bonne nuit minouche」は、コーラスを多重録音で取り組んだオリジナル曲で、その独自の表現手法が鮮やか。「Kinder, heut'abend, da such ich mir was aus」は、
ドイツ映画「嘆きの天使」のなかで使われた楽曲で、斬新なアレンジが好印象。その他の曲でも彼女ならではの華麗でスイートな世界が広がります。美しいメロディとロマンティックな香りに彩られた名曲アルバム。
長らく絶版になっていた『コシミハル』の『
チュチュ』と『
パラレリズム』が2枚組で再発です。
しかもリマスタリング音源という嬉しいおまけ付き。
粗製濫造、コピーのコピーが氾濫し、ものの1〜2週間で消費し尽くされてしまうJ-Popにウンザリしていた今日。
マスターピースの再発は、とても嬉しい出来事でした。
アナログ盤、オリジナルCD、どちらもかなり聴き込んだつもりでいましたが、
リマスタリングのおかげで新鮮な驚きを持って聴けました。
一音一音、音色や音像定位にこだわったバックトラックの上に、ソプラノで歌い上げられる耽美な世界観の歌詞。
今なお、新しさを感じさせる楽曲ばかりです。
PCレコーディングが身近になった現在だからこそ、良いお手本になる作品でもあります。
商品として世に送り出すのであれば、このくらいのこだわりを持って作り込んで欲しいものですね。