「SISTERS OF MERCY」と同郷のリーズで1981年に結成されたゴス/ポジティヴ・パンク・バンドで、「赤いタンクローリー、黄色いタンクローリー」という短い(
英語)早口言葉をバンド名にした通称ローリーズのベスト盤です。
サイケデリックで歪んだギター、鋭い切れ味で強烈なベースライン、リズムマシンを多用した機械的なビート、重低音が響き渡るドラム、クールな狂気に満ちたヴォーカル等、現在でもクラブ等で大音量でかけても強烈なダンスビートが炸裂するエネルギーに満ち溢れています。
当時、ビジュアル的インパクトに欠けていた事や同郷に「SISTERS OF MERCY」というゴスの大物がいたせいで影に隠れてしまったのが不遇なのですが、サウンド面では引けを取り ませんし、窮屈感を感じさせません。ポスト・パンクの一つで「KILLING JOKE」や「JOY DIVIS
ION 」の影響が強いと思われます。特に後者の色合いが濃厚です。陰鬱で退廃的で破壊的で痙攣ダンスの中にも耽美なメロディーラインが存在します。
解散まで、余りヒット曲に恵まれませんでしたが、多くの名曲を残しているのです。その彼等の音楽的変遷を知るのに打ってつけのアルバムなのです。今こそ、凡百のバンドと違うアーティストの音楽面を再評価されるバンドの一つと言えます。
ゴジラのリメイク作としてファンからの酷評や評論家の厳しい言葉が目立つ本作ですが、一怪獣映画として決して軽視するべき物ではなし。
主人公の若き生物学者がいち早くGODZILLAが持つ能力の恐ろしさに気づき、周囲に訴えるも現実味の無さに親しい者含め受け取られずに孤立する事態。突破口を開く意外な存在など、人物像に色モノが目立ちますが《超生物的災害》に直面する人々のドラマも忘れてはおらず、中でも謎の男フィリップ・ローシュ=
フランス俳優ジャン・レノは名演です☆(近年日本では
トヨタ自動車のCMで知名度を持つ)
前述語った評価理由の一つとしてゴジラ日本シリーズとのキャラクター性の違いや熱線に尻尾のパワーといった圧倒的な強さを示す武器が無い事への「怪獣としての強さ」を挙げられていますが、ゴジラにもない巨体に合わぬ俊敏さを持ち、必見とも言える
潜水艦との高度な水中戦を繰り広げる様と卵から孵っていく子供の姿がGODZILLAは十分に《怪獣》としての迫力と魅力を兼ね備えた存在だと言え、是非これらのシーンに怪獣映画・ローランド・エメリッヒ作品の1ファンとして皆さんに注目して欲しいです。
裏話として《GODZILLAは進化する》というコンセプトを創る為、敢えて怪獣らしい超能力を最初に持たせず2作目、3作目と連続シリーズでより強大なモンスターになっていくという企画を用意していたがご存知の通り1作目予定(本作)で躓いたという経緯があったそうです。しかしながらお蔵入りとなったGODZILLA超進化の下描きは公開終了後に高い評価を得て、続編として制作されたTVアニメに流用されたとあり、「これが実写で実現出来ていたら」…という惜しさがあります。本ソフトに当アニメの予告編だけが収録されていますので興味がある方は観覧下さい。
劇場公開当時、先行オールナイトで観てきた友人の「つまらなかった。」の一言で観るきっかけを失ってしまい早や十余年。恥ずかしながら初めての観覧ですが、世間で酷評されている程の駄作ではなかったですよ。みんな「ゴジラ」を期待していたから評判が悪かっただけで「GODZILLA」は別の映画と割り切れば充分に視聴に耐える出来だと思いますよ。リ
アリティーを追及するべき個所は徹底し、デフォルメするポイントもエメリッヒ風味で許容範囲。まぁ戦闘ヘリを振り切るGODZILLAがイエローキャブに翻弄されたり、ビルを一跨ぎで飛び越える位にデカイ筈のGODZILLAが狭い下水管の中を自由自在に動き回ったりと首を傾げるシーンは多々有りますが、あくまでも娯楽映画ですからその辺は御愛嬌って事で。後、アメリカ人(エメリッヒは本当は
ドイツ人ですが)から見たステレオタイプな
フランス人ってのも興味満点ですよ。「ゴジラ」というフィルターを外してからモンスターデジスター映画としてお楽しみあれ。