晩年はともあれ、若い頃の
則天武后の魅力、諦めの良さ、運の強さが良く描かれて(演じられて)いたように思う。
日本では、悪女として有名な
則天武后だが、この本を読んで、改めて
則天武后の人となりが掴めた気がする。 優れた政治家だった彼女が治めていた中国では、民草は平和な日々を送ることができた。様々な血なまぐさい争いは、
則天武后をとりまく人々のあいだで行われていた。 一般に悪女としての
則天武后は有名だが、政治家としての
彼女の活躍を知ることが出来て良かったと思う。
則天武后の観点から描かれた口語体ペースの構成で、
則天武后の生涯の喜怒哀楽を実感することのできる作品と言えるのではないでしょうか。
特に人物描写が巧みで人物把握がとても容易だったので、中国史小説初心者に対してもオススメできる作品だと思います。
また、中国史小説としてだけでなく皇帝という存在が如何なるものなのかを知る上でも参考になるのではないでしょうか。
中国史小説愛好者にとっても
紅一点で満足できる内容です。