この雑誌のコアなファンには申し訳ありませんが、木皿泉さんの対談を読むためだけに購入しました。
対談相手の羽海野チカさんについては名前を存じ上げているだけです(これからしばらくして、『
ハチミツとクローバー』を読みました)。
話の中心は、木皿さんがこれまでに書いてきたドラマです。近作の『Q10』に関する話が多いですが、『すいか』などほかのドラマのことにも触れられています。ドラマのプロデューサーとのやり取りなどについても書かれており、ドラマの脚本がどのように作られていくかが分かります。『すいか』と以降の作品にある微妙な「差」を理解するのにも役立ちます。
なお、ご存知の方もおられるでしょうが、木皿さんは夫婦二人のペンネームです。この対談では、それぞれ仲間内で呼ばれるニックネームでお話しをされていますので、実際は鼎談になっています。
追記
対談だけを読んで上記のレビューを書いたのですが、対談とは別にプロデューサーの河野英裕さんのインタビューも掲載されています。お二人(三人)が、『すいか』以降、ドラマを作るためにいかに苦闘してきたのかがよく分かります。また、プロデューサー主導によるドラマ制作ばかりになる弊害に関する発言には本当に共感しました。
前作「白華の檻」をプレイされていない方は
タイトルの時点で「?」となることと思いますが、ファンディスクのレビューということでご容赦を。
ゲームのサブ
タイトル通り、「もしも」も含めた四季の物語が楽しめる本作ですが、それぞれの季節のお話に関しては他の方々が詳しく書いて下さっているので、全体の雰囲気や気になる点などを簡単に述べさせて頂きます。
まずは皆さんお待ちかね(?)のBAD END解説コーナー、玉依之指南所。今回もデラックス版としてバッチリ収録されておりますが、解説担当は主に吉影さんとゲスト、となっており、神産巣日神様はほとんど登場していません。 前作での彼女のトボけた解説が好きだった私としては、少々残念でした。
しかし、解説自体は相変わらず面白いのでご安心を。
また、今作は全体的に明るいです。 「冬」を除いたほとんど全てのストーリーにおいて、穏やかで優しい雰囲気が味わえます。キャラクターは好きだけれど、前作の重いストーリーは肌に合わなかった、という方も、安心してプレイ出来るのではないかと思います。
が、私個人としては、少し物足りないかな、と感じました。
ボリュームは充分にあるのですが、やはり前作の、厳しい運命に立ち向かい、重大な選択・決断を迫られる中で相手と真摯に向き合う、という重々しくも引き込まれるストーリーに惹かれた身としては、同じような日常の繰り返し(特に秋)に、若干だれてしまいました。
いえ、前作があったからこその今作だと、もちろん分かってはいるのですけどね…。
随分クドクドと書いてしまいましたが、白華の檻が好きな方なら買って損はないと思います。が、物語の山や谷にあまり過度な期待をなさらないように、ということをお伝えして、終了とさせて頂きます。