今回は久米仙人が登場、久米仙人が飼っていたフクロムジナが逃げ出してしまい、凶賊の為に力を使っていたが・・・
一方、空から落下して来た久米仙人との激突で死んで(?)しまった
幽霊のお菊は地獄の救護所に運ばれるが脱走した為、職員の鬼達が追跡して来て・・・
いつもの長屋の面々に主人公の姉とその夫、地獄の鬼達が入り乱れて凶賊相手の大ドタバタ!
読んでいて作者がノリまくって書いているのが手に取る様に判って実に楽しい一冊!この調子でどんどん続いて欲しい。
SFマガジンに発表されたものを中心に編纂されJA文庫で出たものの、既に絶版になって久しかったナチスandクトゥルー神話の、いや、ナチスwithクトゥルー神話の作品集。
著者自らの詳解かつ遊び心満載な書き下ろし注釈付き。
「”伍長”の自画像」
現代の日本を舞台に、私小説風な趣を見せるオカルト話にクトゥルー神話が混じり込むショート・ストーリー。
「ヨス=トラゴンの
仮面」
ナチス内部でのオカルト戦を、唯一オカルトと無関係な日本人主人公の視点で描いている。何も知らない一般人が事件に巻き込まれ主人公だけが知識が無い為、何が進行中なのか判らないと云うのは王道だが、ラヴクラフトの作品だと主人公は何も出来ず翻弄され尽くすのに対し、この主人公は常識の範囲内ではあるが危機を突破出来る能力の持ち主で、加えて武装した兵士ばかり出て来るので、バリバリのオカルト・アクションになっている。この主人公の活躍する話を、もっと読んでみたい気がする。
「狂気大陸」
ラヴクラフトの「狂気の山にて」の続編をナチスで仕立てたもの。ショゴスと云うと、地下鉄車輌並の大きさで臭いは強いが、元の主人の真似をしたり鳥のようにさえずったりと、結構可愛いかったりする。が、こんな風に襲って来られたりすると、怖いかも知れない。本作はプライス教授の「狂気の山にて」をテーマにしたアンソロジーに収録される予定だそうだ。
「1889年4月20日」
切り裂きジャックの事件に実在の
魔術師達が絡むオカルト・ミステリー。ジャックにはナイアルラトホテップが絡んでおり、その先にあるのは・・・
「夜の子の宴」
トランシルヴァニアを舞台にナチス+ツァトゥグァで描くショート・ホラー。
「ギガントマキア1945」
ダゴン、Uボート、ナチスの
魔術師・・・謎のナチスの
魔術師を巡ってUボート内部でのサスペンスが盛り上がる一方で、海中でのダゴンの追跡劇が繰り広げられるスピーディなアクション・ホラー。
「怒りの日」
ヒトラーの元に居たチベットの導師が登場し、ユゴスから来たキノコも登場する一篇。