帝都物語〈第壱番〉 (角川文庫)
言わずとしれたベストセラーですが、わたしがこれを読んだのが中学1年生のころ。それから活字の世界にはまってしまいました。しばらくは気づかずにいたのですが、いま研究しているのが明治末から大正の都市計画だと思うと『帝都物語』の呪いに未だ罹っているわけです。市区改正も渋沢栄一も今和次郎も寺田寅彦も。そして路上観察学会も全部アラマタ先生に教えてもらいました。そんな歴史とフィクションがゴッタ煮になった絵巻の世界に是非はまってください。
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前作「帝都物語」は原作の圧縮版というか、
原作を駆け足で観ていく作品でしたが、
こちらは「初見でも楽しめるように」と気遣って作られたようにも思えます。
当時では分かりにくい「陰陽道」を超能力に置き換え描写しています。
ただ、加藤の五芒星の手袋などは印象にのこるように描写されています。
その辺りで「見えないけれど式神を使っているのだろうな」とか、
脳内補完で何とか。
また、サントラの曲名で
「復活−怨霊たちの慟哭−」「この身,我物にあらず」という感じのタイトル曲があるように、
この大戦での「加藤保憲」自体はナレーションでも語られますが、
戦争で死んでいった人間の怨念を「憑依」させているのではないかなと思わせます。
だから台詞もあまりなく、ただただ破壊し呪うだけの存在になっているのかと。
ラストはあっさりしていますが、噂だと加藤と一個小隊のバトルも予定されていたとか。
その辺りもあればもっと派手な作品になったと思います。
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前情報が無ければ見られる映画
前情報を調べると見られない映画
以上がこの映画の評価です。
私は前者でした。
が、前半はリアルな作りなのに対し、
後半が作り物くさくなってしまったのが悔やまれます。
数年前ならばネットで簡単に調べられないので、
和版「ブレア・ウィッチ」として話題をさらっていた作品でしょう。
今の時勢にあわせ、裏付けをしっかりとし、
作り物感や役者のわざとらしいリアクションの排除が行われていたら、
☆5つの出来だったとおもいます。
私は☆4つの出来だと思いますが、賛否両論が激しいと思われるので
この中間評価とさせて頂きます。
フリーメイソン ‐‐「秘密」を抱えた謎の結社 (角川oneテーマ21)
世間的なフリーメーソンの風説やら、いかがわしさには、とりあえず眉にツバを付けといていいが、荒俣宏の広範な情報力が、世界史の見通しを助けてくれる。日本人で荒俣宏ほど、このフリーメーソン現象(結社、運動など、うまく収まる日本語がない)をバランスよく詳述出来る人物は、ほとんどいないかと。実際、かなり深い問題意識を抱えてたのか、『フリーメーソン』がフリーメーソンたる由縁(啓明的な精神運動を石工のギルドが担うハメになった歴史的経緯、あるいは、当時、ほとんどババ抜きに近い感じだったのかも)過不足なく見事に解明してて、世界的レベルの仕事かもしれない。王権神授説、ピューリタン革命などのイギリス国内の事件(高校大学の社会科、法律政治経済科目で出てくる、実際のニュースバリュー的影響について判断が難しかった箇々の経緯)のモヤモヤした霧が晴れて、スッキリした場所に出れるかと。読後は、これから英米人のフリをするのか、フリーメーソンの精神として抽象的(仏教的)に評価するのか、なかなか難しい宿題が出てはくる。新書版サイズながら読み応え十分。メーソン史家のアルバート・パイクを正当に評価(アメリカが生んだ最も重要な近代フリーメーソン思想家の一人だ)してる点でも、地道な研究の息の長さが見える。
アラマタ大事典
博物学者<アラマタ>先生は、とにかく楽しい人。その人柄の温厚さと好奇心から来る博学さには驚かされますが、この本は<博物学>の入門書のような形になっており、我が家でも中学生の次女から私まで、気軽に楽しく読んでおります。また、この本を入り口に子供たちが将来に向けて、自分の好奇心を育てていって
自分の人生の道標にもなる材料にもなると思います。お勧めです。