根津甚八
根津甚八さんのファンなので、3時間で一気に読み上げました。
どうして、この方が「俳優廃業宣言」をなさったかが、よく伝わってきました。
著者の奥様の根津仁香さんが、在日韓国人三世であること、そして甚八さんと15歳年が違うことで、結婚を周囲から反対されたことも、初めて知りました。
けれど、結婚式の根津甚八さんも、奥様の仁香さんも、お写真で拝見したそのお姿は
とても、とても、清々しく凛として、美しかったです。
また「黄金の日日」で石川五右衛門を演じられ、当時インターネットも無い中、熱心に図書館で文献を調べられ、五右衛門が実在の人物であり、釜茹での刑に処せられた事を知られてからは、そのシーンのために、性も根も尽き果てて、演じられた事も知りました。
そして、全く知らなかった、唐十郎さんとの関係が、石川五右衛門を演じたゆえの大ヒットで壊れたことも、初めて知りました。
私は「根津さんが俳優業を辞められる」と聞いたとき、非常に残念だった一人でしたが、この本を読んでから「良かったんだな」と思いました。
このまま続けたら「俳優・根津甚八」は生きても「人間・根津甚八」は死んでしまっただろう。
真面目にそう思えたからです。
根津さん、本当に貴方の素晴らしい、真摯な演技を拝見できたことを、私は感謝しております。
ありがとうございました。
これからの人生、ゆったりと、貴方らしく、貴方しか生きられない人生を
ゆっくりと歩んでくださいね。
この本を書いてくださった奥様の根津仁香さん、本当にありがとうございました。
お二人に心からの感謝と拍手をお送りし、このレビューを終えます。