笑いと治癒力 (岩波現代文庫―社会)
医学をはじめ、科学というものは実はあやふやでつかみ所がないものだ。
お医者さんは勇気があるなあ、と心の底では思っているわけだが、
一方で医学は揺るぎないものだというイメージ(勇気づけ・幻想)を
植え付け、患者を安心させる一方で、怒らせたり絶望させてきたのも
医師である。
始末が悪いのは、医学教科書の内容を知らず知らずのうちに絶対視し、
「難しい」症例の患者に、本当に苦しい・痛いのか?とか、わからない
治らない、といった否定的な言葉を簡単に口にする医師が多いことだ。
この本は患者の立場から書かれたものではあるが、自分を助けてくれた
医師への感謝の言葉に満ちている。とはいっても、その医師は、
何か魔法のような最先端の医術を駆使したわけではない。
現状の医学を絶対視して否定的な言葉を投げつけることなく、
患者を勇気づけ、支援しただけだ。
「医は仁術」ということばの本質がよくわかる本だと言えよう。
同時に、病に苦しむ患者を勇気づけてくれる本でもある。
音楽についての記述も多く、パブロ・カザルスやシュヴァイツァーも
登場する。読み物としても面白く、非常に優れた本。
ところで著者の主旨とは直接関係ないが、私がいちばん衝撃を受けたのは、
ハンセン氏病に関する記述だった。この病気にかかった人が手足を損なう
ことはよく知られているが、それは病を引き起こす病原菌が原因ではなく、
むしろ病気の「結果」だと言うことを、この本を読むまで知らなかった。
周囲にも聞いて回ったが、医師以外にはこの事実を知る人はいなかった。
かなり古い本であるし、この研究はさらに古そうなので、このようなことが
あまり知られていない背景には、かつての日本の隔離政策が影を落として
いるように思えてならない。
カズン 3 (Feelコミックス)
唯一の男友達と思っていたシロの怪しい行動に翻弄されていく主人公ぼんちゃん。
自暴自棄になりながらも次第に自分と向き合っていく真っ直ぐで純真なぼんちゃんのかわいさに胸キュン。
そんな、ぼんちゃんのかわいさを察知した男の子が現れてシロが行動を起こす?!
風の唄
風の街からのカズンファンですが、昔のにも戻りながら聞いています。そして彼らの凄さを堪能しています。本作については個人的には1曲目の「バルーン」に打ちのめされました。なんて素晴らしいコーラスなんでしょう!(サビに入る瞬間に「ピュン」と風船が飛んでいく効果音が入るのも微笑ましい。)コーラスの凄さは風の街のヒロシだけバージョンを聞いてもわかります。全然違うラインなのに、二人で同時に歌うと素晴らしいハーモニーになるというのが、音楽の無限の可能性を感じさせてくれます。このまま息の長いグループであってほしいものです。