老いる覚悟 (ベスト新書)
本格的な高齢化社会を迎え、このようなテーマの本が増えている。著者は作家の森村誠一。東日本大震災の被災者の言葉や、自らの戦時中の空襲の体験などを交えながら、まず生きるという意味とその覚悟を問い直し、そしてシニアとして残された人生を過ごす上でのアドバイスを綴っている。「何をしてもいい自由」を説き、「日めくりカレンダー」をめくるように短くなってゆく余生の時間を充実させるために必要なポイントについて著者なりの意見を述べている。
長く会社勤めをしていた人には、組織に守られなくなる立場になることや、高い地位についていたとしても引退すれば一人のシニアになるのだということについて注意を喚起している。また、男性でも炊事洗濯掃除を自分でするといった、自立の基本を説いている。女性向きの記述もあるが、全体的にはより男性に向いた内容であるように思う。
後半になるにしたがって、既に亡くなった笹沢佐保氏などの思い出話など著者の個人的な体験の話の比率が次第に増える。この点でこの本は、読者に向けて書いているというだけでなく、著者自身の覚悟を再確認する役目も果たしているように思えた。
いずれにせよ、まずは健康に老後を迎えたいものである。
超高層ホテル殺人事件 [VHS]
森村誠一原作の同名小説の映画化。ただ内容は本格ミステリーというより犯人側のラブストーリー。近藤正臣と由美かおるの悲恋物語となっているがホテルでの落下殺人、飛行機を使ってのアリバイ作りは残されている。由美かおるといえば彼女の二十代の若々しいヌードが拝める。
信州戸隠そば 本十割生そば(小) (十割生そば110g×3 ストレートつゆ50ml×3) 約3人前 [商品番号ホ-小]
ソバの香りがふわっと鼻に抜けるおいしいソバでした。ただし、食感は少しモソモソ感があります。本来のソバ粉100%の打ちたて茹でたてのソバならば口の中でふわっと溶ける、という感じになるのでしょうが、半生に乾燥しても香りが飛んだり茹でた時にソバが切れ切れにならないよう、特殊加工された新製法のそば粉を使っているとかで、そこはやむをえないところなのかもしれません。あるいは、説明書の指示よりも茹で時間や・蒸らし時間を長くしたり、乾麺と同様、茹でる前に5分ほど水に浸けたりするといいのかもしれません。なにはともあれ、十割そばの乾麺よりはずっとおいしく、値段も手頃で、保存もある程度は可能なようなので、これから茹で方等をいろいろ研究しつつ長く愛用しようかと思っているところです。
人間の証明 (角川文庫)
ドラマを見た友人がしきりに進めるので読んでみました。
前半は、ひたすら登場人物(多い!)の紹介のような感じでスローペースで物語が展開されます。
その後、徐々に加速度的に展開が早くなりストーリーは一気にクライマックスまで突っ走ります。
そう思えるほど一気に読めました。
無関係に見える各々の登場人物たちがここまでつながってくるのかよ!と突っ込みを入れそうになりましたが・・・
私は、ドラマの方は最終回以外見てないんですが、
個人的には、本のほうが面白いように思います。
コレを読むまで、この本がそこまで名著だとは、知らなかったのが恥ずかしい。
人間の証明 DVD-BOX
原作・映画とはまた違った味わい深い作品です。
最終回のまとめ方については多少の難があります。そこに至るまでの登場人物の一挙手一動、光の当たり方にまでひとつひとつの映像の持つ意味合いを掴んでいないと肩透かしを食ったような気がするかもしれませんが、難は難でも難しすぎた「難」と言えるでしょう。また、不満な点としては八杉恭子の属する世代の罪の描き方が弱かった点が挙げられます。
前作では八杉恭子とジョニー・ヘイワードを中心軸に物語が動いていきましたが、今作では今までないがしろにされてきた感のある棟居刑事の人間としての復活が描かれ、登場人物をシンプルにしたことにより、小山田文枝を軸とした夫の武夫と愛人の新見の奇妙な連帯関係と友情がコミカルに、哀しく描かれています。この3人、主演の竹野内豊と國村隼、風間杜夫、この三人の演技を見るだけでも価値のある逸品。力量の優れた演技者のまさに競演といえます。
非常に細やかで緻密に作られた映像の中に、言葉では語られなかった心の奥行きが組み込まれ、見返すごとに新しい発見があるでしょう。